2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ラウドの呪縛にとらわれて

高校生の頃の僕を励ましてくれたのは、いつも聴いていたヘヴィメタルの楽曲たちだった。速くて、切れ味があって、激しくて、美メロ。そんなメタル(またはハードロックだが、ここではメタルに統一)が大好きだった。思春期的な小さな悩みを楽曲の情報量で覆…

何も考えない

仕事がない、ああ仕事がないと思っていたら、いつもの発注元から大量の仕事を匂わせる相談を持ちかけられた。いくらやっても限界の見えた仕事ではあるのだが、まとまった仕事が入るとありがたい。真剣にバイト探しする気力が萎えて来たところだったので、渡…

楽しい夕べは一瞬の秋

行きつけ酒場の従業員だった人が、独立して新しい居酒屋をはじめた。夫婦で営む街の居酒屋という風情だが、店主のこだわりでかなりビールに力を入れている。ビール好き、というよりビールしか飲めない僕にとっては嬉しい店だ。その店のプレオープンに、行き…

ていねい言葉で追いつめて

僕はあまり他人を褒めない。特に、優れた部分がある人間を褒めない。それは、褒めることで相手より上に立っていると主張しているように感じるからである。その人の優れた部分というのは、当然のことながら僕よりも優れているわけだ。それを褒める立場にいな…

忘れた頃に負けず嫌い

スポーツマンが試合後のコメントで「僕、負けず嫌いなんで」と言うのをよく聞く。その都度、何を当たり前のことを言っているのかと思う。この世に生きる全人類が負けず嫌いに決まっている。誰も好きこのんで負けたくないが、明らかな努力の差があって負けず…

季節の変わり目、装備点検

服装はシンプルに限るのだが、中年になってからの僕は服装に「擬態」を取り入れるようになった。体型の丸さをシャツの柄で誤魔化すのだ。アロハシャツや何かしらの模様が入ったシャツは、派手だけど視線が散るので体型のことまで気が回らない。そして、この…

オープンエアでビールを

こじらせ中年の僕が言うのもナンだが、僕の周りの同世代にはひと癖ある面々が揃っている。そのひと癖が原因で結びついているとも言える。僕は無色透明のつもりで生きているが、周りからは気色の悪い色がついて見えているのかも知れない。その色を見て「同種…

野球を嫌いにならないで【後編】

少年野球時代のトラウマのような経験のせいで野球から離れた僕だが、その後の人生においても折に触れて野球と交わることになる。大学の頃、部活の合間に遊びで野球大会をやったことがあった。久しぶりの打席だったが、先輩の投げる緩やかなカーブが打てず、…

野球を嫌いにならないで【前編】

僕の野球に関する気持ちというのは、複雑なものがある。スポーツとして、この国での野球の地位はとても高い。そして、その序列は学生時代の人間関係にも如実に反映される。僕の世代では強制的に坊主頭にさせられる野球部員だが、それがクラスの人気度やモテ…

世界の片隅に行っチャイナ

昨日は横浜スタジアムで野球観戦だったのだが、試合内容に左右される程度にはファンなので、昨日の今日では上手い言葉がみつからないようだ。とにかく完封負けというのは、試合している選手よりも応援しに行く我々ファンの方がダメージは大きいのだ。ひと試…

新日本プロセスリング

欲しいものがある時は、それを決めるまでがイチバン楽しい。多くの社会人にとって、最初に迷う買い物はクルマではないだろうか。それも中古にするか新車にするかで変わる。僕は中古車ひと筋なので、買い換えるスパンは新車派よりも短い。その分だけ「選ぶ楽…

連休前のトラベル指南

今年は自粛生活がスタンダードになっているので、連休だからといって旅行に行こうという気分はしない。そもそも、金欠も手伝って最近はめっきり旅行していない。僕にとっての旅行は距離ではないのだが、気分としての旅情が湧くような軽い遠出、もしくは近隣…

迷って選んでハズせ

うろ覚えの場所にクルマで行く時に、この信号か次の信号かを迷うと、かならず後から思いついた方を選んでしまう。この場合は「次の信号」ということになる。で、それは絶対に間違えている。最初の信号を通り過ぎる時に気がつくけれど、後の祭りだ。このよう…

眠れない夜と眠りたい体

夜、眠る前に訪れる不安。実家者の僕が抱えている不安は、家族の健康についてだったりする。そして残りの人生についても考えることになる。寝転がっての思考で何ら答えは出ないし、死は絶対なので、そこは諦めるしかないのだが、そうなった時のことをふと考…

偽りのファッショニスタ

僕は帽子が似合わない。特にベースボールキャップと呼ばれるタイプの帽子が絶望的に似合わないのだ。理由は顔が大きいからだろう。頭のカタチも良くないので、どうにも収まりが悪い。でも、草野球チームに加入しているので、試合の時はかぶらなければいけな…

声量なきジャイアン

今ではそうでもないが、少し前まではカラオケが大嫌いだった。もともと歌が上手いわけではないので、人前で歌う恥ずかしさは多少ある。それでも好きな歌を歌うのは楽しい。ただ、カラオケという場所が嫌いだった。もっと言えば、カラオケで孤立させられた経…

ターニングポイント特定

大学時代の同級生のうち2人ほど、卒業してから大学に復学している。単位を取り増しして教職を取るためだ。単位の取り増しなんて言葉があるかは知らないが、とにかく、一度就職してから「やっぱ教員になりてーな」と思い直したということだ。そのうちの1人…

遊べるクレイジーワールド

昨日、TVで放映された「マッドマックス:怒りのデス・ロード」は、僕の大好きな映画のひとつだ。公開当時も映画館に観に行って、あの世界を楽しんだ。内容は単純で、逃げて戻るだけなのだが、ストーリーのシンプルさと反比例して細部にはこだわっている。…

花鳥風月に魂ひかれない

年齢を重ねてくると、若い頃とは興味の対象が変わってくると聞く。自分も半世紀近く生きてきたので、若い頃と今では何かしら変化があっても良いとは思う。でも、深く考えるまでもなく「変わってなさそうだな」と感じる。自分が自分を正しく評価できる自信は…

指先に不吉な影

僕は、今でこそケガのデパートよろしく運動するたびに肉離れするスペランカーだが、学生時代はケガとは無縁のスポーツマンだった。それは目立ったケガをしないというだけで、細かいところは無視して練習していたに過ぎない。無理をしていた。だから、日常生…

停止して窓ガラスを下ろせ

小さい頃、僕が住み暮らす市内には駅がなかったので、電車に乗るためにはバスで隣の市の駅まで出なければいけなかった。少し大きくなると自転車を使うのだが、中学高校生の足でも30分はかかったと思う。たまにスピード自慢の男が「10分切ったぜ」などと…

蘇る土地勘

約10年前は渋谷にある会社に通っていた。良い思い出はないが、そこで得たスキルで今を生きている。会社は嫌いだったけれど、仕事と渋谷という街は好きだった。いや、渋谷が好きと言うと若者かぶれみたいだな。若い人に寄せているのかもしれないが、単純に…

汗と涙を血に染めて

僕は汗っかきだ。他の人間になったことがないから比較はできないが、目に見えて垂れ流している汗の分量が他人より多いと思う。分かりやすい例で言うと、複数人でグレーのTシャツを着て、同じ時間を同じ場所で過ごした場合の汗染みの面積の広さには自信があ…

熱狂ホームスタジアム

プロ野球の試合を観るのは、いつもスポーツバーに限られていた。家で観ても盛り上がらないし、現実的に家のTVでは観戦できないと思っていた。でも、よくよく考えたら茶の間のTVはケーブルのチューナーが入っているので、多チャンネル化している。もしか…

壁の耳はオレの耳

学生時代に借りていたボロアパートは、当然のように壁が薄かった。2階建てで全6部屋のアパートだったが、住人とのコミュニケーションはほとんどなかった。ただ、僕の隣に越してきた新入生が挨拶に来たことがあり、その後で「ラグビー部に入れます?」と聞…

その分野の進歩を願う者たち

フリーランス者なので、会社から「健康診断に行け」と指図されることはない。市役所から特定健康診断の案内が来るので、それで済ませている。簡易検査だが、採血するので少しだけ反則技を使っている。数日間の断酒で、採血から算出する数値が悪化しないよう…

時間泥棒ヘッドハンティング

かつての僕はおおらかだった。友達と待ち合わせをしても、いつも最初に来ているのは僕で、後から来た連中を非難することはない。僕の中では「自分も遅れることがあるから」と思っていたが、もし仮に僕が遅れた時に他の連中が先に行ったら怒らなきゃいけない…

イマジネーションネイション

小説には好みがある。自分の好きなジャンルだけを読もうとは思わないけれど、苦手な文体というのはある。文体というより、書かれている内容だ。夢と現実が曖昧になった人の描写だけを長く読まされるのは苦痛だ。作家の妄想を延々と読まされるのも、それが笑…

余白で優しくなる

仕事がパンパンに詰まっている時は、忙しくて周りに配慮できなくなってしまう。ヒマで今後が不安な時も、周りよりも自分の心配に終始してしまう。この年齢になると、ある程度の余裕が欲しいものだ。仕事の進行も、経済的な蓄えにしても、ゆとりが欲しい。逆…

夏の終わりはしつこい

9月に入った途端に今日のような過ごしやすい天気になると、夏が終わったような気になる。もし僕が社用車で行動するような営業マンだとしたら、こういう日の夕方に会社へ戻る途中に涙してしまうだろう。営業車にラジオは必須だ。ラジオは季節感を重視するの…