その分野の進歩を願う者たち

 フリーランス者なので、会社から「健康診断に行け」と指図されることはない。市役所から特定健康診断の案内が来るので、それで済ませている。簡易検査だが、採血するので少しだけ反則技を使っている。数日間の断酒で、採血から算出する数値が悪化しないように対策するのだ。本末転倒だが。

 昨年は、自分史上最悪の数値を叩き出した。普通の飲酒ライフを過ごしていたら、肝機能系の数値や中性脂肪が基準値を大幅に上回り、さらに薬によって対策しているはずの尿酸値も全然改善されていない。そりゃそうだ。医者に止められている行動をとっているのだから、改善される理由がない。

 その検査が悪すぎたので、3ヶ月後に再検査すると言われた。尿酸値の薬を変えたので、その結果を見たいというのもあった。そこで、僕はある不正を働くことにした。1ヶ月ほど断酒したのだ。ま、正確には10日程度しか続かなかったが、それでも効果てきめん、数値は改善されたのであった。

 そして今日、今年の健康診断に臨んだ。対策は1週間の断酒を予定していたのだが、木曜日に耐えきれずに飲んでしまった。横浜ベイスターズブルペンデーを酒場で観たくて出かけてしまった。結果は惨憺たるもの。あんな試合を見るために誓いを破る自分を呪いたくなるが、それは後の祭りだ。

 結果はまだ分からないし、終わっていない検査がひとつ残っている。検便である。これが面倒くさい。毎年この検体を採るために苦戦する。いい加減、もっと簡単な方法に刷新されないものなのだろうか。この検査のためだけに「しゃがむタイプ」の便器を置いてある施設を探し回ったこともある。

 試行錯誤した挙句、毎年、家のトイレで検体を採ることになる。あの作業をスマートにできる人間は皆無であろう。すべての人間があんな情けない目に遭っているのかと思うと、この世に格差はないような気がする。みんな等しく無様だ。だからこそ、なぜ改善されず放置されているのか不思議だ。

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広い敷地の片隅で野グ○して検体を採った方が楽だ(写真はイメージ)。