きっと空も飛べた頃

この季節の主役は子供だ。夏を楽しむ場面で大人が登場すると美しくないような気がする。子供にないのはお金で、大人には楽しさを金で買えるアドバンテージがある。だから、大人になっても夏は楽しかったりする。マリンスポーツや、避暑地や南の島への旅行な…

ヌードルスープは完飲せよ

健康に気を使って普段の食生活を見直したり、効率を重視して栄養をコントロールしたりする、いわゆる意識高い系の行動ができない。そのような行動様式にすると、あまり食生活に気を使っていない人に対して厳しくなりそうな気がする。他人が太ろうが、痩せよ…

熱い世界で夏いちばん

汗かきな僕は、学生時代、帰り道にあるすべてのコンビニに立ち寄っていた。多少の汗は仕方ないのだが、最高潮の発汗がはじまると僕の体表すべてが水浸しになる。うすく汗コーティングされてビチャビチャになる。そうなると抑えられないので、コンビニで冷や…

分かりにくさがセキュリティ

僕の勝手な思い込みだが、外国の飲食店は赤い。特にアジアは赤い。食材が赤い場合もあるが、壁や店内の装飾が赤いように思われる。看板にも赤が用いられることが多い気がする。それは人目をひく効果を狙っているのだから、僕のようにTVの画面越しに観て惹…

猫の手を貸してあげる

よく行く居酒屋の元バイトの女性が夫婦で飲み屋を開店するということで、その準備で忙しく動き回っている。その一環として店内の塗装作業を手伝う人員を募集していたので、友だちと一緒に顔を出した。白いペンキをローラーで塗りたくる作業に没頭して、頭の…

言葉は無力な唯一の武器

話しても聞かない人がいる。もしかしたら僕もそうかもしれない。みんな、自分の意見しか言わず、人の意見は聞いていない。人の意見を聞いているように見えても、それは自分の意見と近い部分だけを選り抜いている気がする。少なくとも僕はそうだ。だから、他…

セレブレイション・デイ

人の年齢なんて、その人間が生きた日数を約365日で割った数字にすぎない。その数字が大きいから強いわけでも、偉いわけでもない。ただ、その数字が増えるに従って劣化する。その劣化に対して「準備した方が良いよ」と、若い人に忠告することはできる。た…

定食屋で腹いっぱい

ここ数年は、フリーランスという都合のいい言葉を後ろ盾に、会社勤めすることのない気楽な身分のまま仕事をさせてもらっている。仕事がなければ無職と変わらないので、日によっては「無職とみなす」ということもできるだろう。今日は仕事と仕事の谷間なので…

ショートカットのならず者

学生時代は部活の遠征でいろいろなところに行ったような気がするのだけれど、やることはラグビーの練習か試合だけなので、その土地のことはあまり覚えていない。合宿では、朝の練習以外は練習試合ばかりなので、その合間に多少の空き時間はある。でも、体が…

現世は仮の住まいか?

街で見かける「変なカタチ」の建物を訪問するTV番組が好きだった。狭い三角形の土地に無理やり立てた、ショートケーキを細くカットしたような建物は街中でもよく見る。あの先端部分、つまり最細の内観を見たいのだ。ただ実際に見るとファンタジーではなく…

アニマルのマニュアル

小さい頃は家で犬を飼っていたと両親から聞いたことがあるが、犬に懐かれるタイプではない。よく行く得意先が飼っている代々の番犬たちには、毎度噛まれる。特に先代の番犬は優秀で、僕のお気に入りのスニーカーに歯型が残っていた。今はそのスニーカーも番…

こころ揺さぶるマニアたち

先日、長いこと探していた文庫本を書店で見つけたので、即ゲットした。発売して間もない頃は書店に平積みしてあったのだが、翌週になると棚に移動される。さらに数週間経つと、もはや書店では見かけなくなる。初版が売り切れたら重版ということになるが、出…

熱き星たちに誓う

プロ野球の応援の仕方は人それぞれ。ファンの数だけ応援するスタンスやスタイルが違って良い。好きだけど球場には行かない人がいれば、グッズを買って球場で声出して応援するのが好きな人もいる。データを集めて、それを元に分析するのが好きな人がいれば、…

どこかで会ったに違いない

酒場で会って話すようになっている人の中には、知らぬ間に仲良くなっている人がいる。最初に酒場通いをするようになった頃は、ひとりで飲みに行くことはほとんど無かった。連れがいるから、周りの常連とは壁ができてしまう。その壁を取っ払うためには、ひと…

カビの生えた思い出 

よく行く居酒屋に、店が終わった後に聴く用のポータブルレコードプレーヤーが置いてある。それを見て、数人の常連が自分のレコードを持ち寄って聴いていた。そういえば我が家にも「レコードがあったよな」と思い屋根裏収納を探してみると、カビくさいレコー…

本当に道は無数にあるのか

子供の頃は、早く大人になりたいと思っていた。歳をとりたいわけじゃないのだが、歳をとらなければできないことがあるからだ。本当は子供にもできることなのだが、子供がやるには大胆な発想の転換が求められるような気がする。僕が大人になりたかったのは、…

コミュニケーションも味

昨日は千葉方面に仕事のため、最寄駅から錦糸町に出て総武線快速に乗り換えなければいけない。先方への到着時間を考慮すると、錦糸町を出る時間は1時前。だから、昼飯のタイミングなのだが、ジャスト過ぎて混み合いそうだ。店前の行列を見ると自動的に素通…

フラッシュバック・冬

なんとなく7月は「もう夏だ」という気分で生きてきたのだが、平年の梅雨明けを見てみると本日21日が平均的な関東の梅雨明け日のようだ。梅雨の間は天気が安定しないし、雨でジメジメするので、体感的には「暑い」というよりは「鬱陶しい」という感覚の方…

去りがたき戦場

締め切り間際の職場というのは「祭り」のようなもので、熱狂の渦の中で浮かれる。僕の仕事は、締め切りを過ぎた現場で先方と調整しながら残りの仕事を後追いで納入させる手伝いだ。あくまで手伝い。現場の中枢にはおらず、自分の意思でできる仕事もない。た…

うわっつら相談の末路

酒場の話題を聞いていると、だいたい男女の関係性の話が多い。誰が誰と付き合っているとか、アイツは浮気しているとか、あの子は小さいサークルの中で男を乗り換える性悪女であるとか。その話のテイストが相談スタイルを取っている場合は返答しなければいけ…

隠れ潔癖症の憂うつ

学生時代は部活の同期から「不潔日本代表」かのように言われていた。僕が寮に帰ってすぐ風呂に入らないからだ。本当なら僕も、部屋に帰ってすぐに風呂に入りたい。風呂といってもシャワーを浴びるだけだ。でも、僕の寮の部屋は母屋と呼ばれていて、寮母さん…

駆られ焦がれる旅の空

先日まで、室町時代の史実を基にした時代小説を読んでいた。それは、京都を中心に繰り広げられる権力者と市井の民との闘いである。市井の民と牢人が手を取り合って、時の権力者たちに反旗を翻す物語。京都市中に一揆の軍勢が雪崩れ込み、金貸しの蔵や大名屋…

擬似体験というやつさ

朝のワイドショーで、都立高校の校則で「ツーブロックを禁止」することについて議論していた。その発端となった都議の質疑の模様も放送され、その際の教育長の回答が「事件や事故に巻き込まれないように」というものだった。そこで、その回答に関する「根拠…

宴会部長は背中で語る

大学のラグビー部に入った時、僕は孤立しないために「笑われる役」を買って出ていた。まあ、正確に言えば僕の根っこにある調子ノリが、最初に宴会芸でウケちゃえばラクだと思っての自発的な行動だ。どうせ新入生は、上級生から「何かやれ」と無茶振りされる…

路上の無念

クルマを運転中に見かける路上の落し物で気になるのが手袋だ。まるで手首から切り落とされたみたいに、道路に晒し首ならぬ晒し手首の感じで落ちているのである。「上手いこと落ちたものだ」と思う。でも、確認しないので、あの中に身が入っていないとは言え…

酒場に不要なラップトップ

よく行く酒場から仕事を手伝ってくれと頼まれたので、先週末はノートパソコンを持ち込んでビールを飲みながら作業していた。営業時間中なので、なるべく邪魔にならないように端っこに座っていた。でも、酒場のカウンターの端っこは人気席だ。片側がフリーな…

酒飲むと走る男

僕は、どんな時でも走れることが理想の状態だ。思い立ったら走り出せることは、人間にとって最大の武器になると思っている。だから、いつも走れる体でいたい。と思いつつ、かなり長いこと走れていない。ゆっくりとジョギングを始めて、割と走れるようになっ…

その感情には名前がある

僕が子供の頃からずっと読んだり、見てきたものからの影響として身につけた感覚というか、どん底から見上げた上空にいる仮想敵に対して燃やす怒りを常に持っているような気がする。だから、いわゆる「上から目線」で話してくる人に遭遇すると身構えてしまう…

極めて微細なヒーロー願望

よそ見してクルマの前に飛び出してしまった子供を、沿道から駆け込んで身代わりになる大人の姿を何度か見たことがある。もちろんそれは漫画やドラマの中での創作。それでも、交差点で信号待ちをしている時に、挙動が怪しい子供を見かけると、自分は「飛び出…

ストレンジウェザーランド

今世紀に入って以降だろうか、毎年「記録を更新」し続ける異常気象で各地に甚大な被害が生じている。このような被害を防ぐには、治水などの膨大な時間がかかるインフラ整備が必要なので、対策も追いつかないだろう。コロナ禍で疲弊した日々に、自然界はさら…