2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

早くも師走前

今年はいろんなことがあったとか、何もしないうちに終わっちゃうとか、この時期になると言いがちだ。でも今年は、生まれて初めての全国的な自粛ムードにより実際に何もしていないけれど、特別な1年ではあった。忘れられない年になるかもしれないけれど、早…

揉んで揉んで、白紙に戻す

色塗りをすると、だんだん色を混ぜたくなって、最後には黒に近い謎の色彩を生み出すことになる。全部の色を混ぜると黒くなるのだが、それでも子供は混ぜないではいられない。あのがっかりする色彩を見たいのではなく、混ぜている途中の「ウルトラQ」のオー…

樹木に茂る葉のような言葉

文章を読んでいると、狙っていそうな表現で普通に笑ってしまい、自分のことを「他愛ない読者だな」と思ってしまうことがある。でも、読書は他愛ない人間が読んだ方がより楽しめると思う。マニアックに詰める楽しさもあるとは思うが、最初の仕掛けで感動でき…

漂流者の流儀だとか

遠方の仕事はクルマで行くことが多いのだが、渋滞で時間が読めないエリアに行く場合は遠くても電車で移動する。往復で4時間近くかかるが、クルマだと渋滞したが最後、いつ着くか読めなくなる。それよりはストレスがないし、なにせ電車は乗っていれば着く。…

一心不乱を一刀両断

何かに一生懸命打ち込んでいる姿は美しいとか、立派だとか言う。目標を成し遂げるためになりふり構わない姿勢も、努力して成功する例として美談となる。でも、それは遠くから見た場合の話だ。結果が出た後の事後報告だ。その真っ只中にいる時は美しくも立派…

高僧が香草を構想

好き嫌いが分かれるパクチーに限らず、香りの強い葉もの野菜全般が好きな草食系中年の僕。いや、草食系という言葉は野菜好きを表するものではなかったな。でもベジタリアンだと、肉を食わないように思われそう。どう思われても構わないが、肉も野菜もなんで…

スピリッツは割って飲め

僕はビール以外の飲み物をあまり飲まない。だから痛風を発症した。本当にビールだけを飲み続けるので周りから不思議がられる。「普通は最初の一杯だけだよ」とよく言われる。ビールは高いので割り勘だと不公平だと不満を言った人間もいる。でも、そんなの関…

こんなオトナに誰がした

今月の仕事がひと段落したので、酒場で1人打ち上げをしていた。1人と言っても常連が集まる店なので、話し相手はたくさんいる。その中の、僕と大して歳の変わらない男と話していると、不意に不快な差別表現で例え話をした。公共の場での配慮がない、民度の…

口は悪くても温かい手

年上で正直な人は、口調も荒いことが多い。修飾語を廃してバッと喋るから強い言葉になるだけで、本人に荒くれようという意識はない。ただ、正直な上に気も短いので、なるべく最短で伝えたいのだ。その伝わり方は、言葉の正直さより荒さが目立ってしまい、印…

ラブのテクニックを競う

昨今の恋愛は、マッチングアプリで会ったりするのが割とスタンダードなんだということをよく聞く。怖がるようなものでも、ましてセクシュアルなものでもないと人は言う。確かに僕も、その手のアプリが展開する広告イメージを見て「出会い系サイト」のような…

情報よりも感触を大事に

昨日は、いつも仕事を回してくれる会社の事務所に届け物があったので、夕方前にそこに向かった。事務所の最寄駅から歩いて行くと、向こうからその事務所の社長がやって来た。行く旨は連絡していたのだが、忘れて出てきたとのこと。僕という人間の存在感の薄…

頭の中では処理できない

僕はメモを取るのが下手だ。人の話を聞くのは楽しい。でも、楽しさにかまけて会話に集中するとメモの手が止まる。だからボイスレコーダー等を使って録っておけば良いのだ。それは分かるのだが、その「ちょっと録っても良いですか」と言う手間が惜しい。もっ…

去り際、残り香の男

昨日、外出先で昼食を食べていたところ、先客が帰り際に「美味かった。東京に出てきて5ヶ月経つけどイチバン美味かった。そばも汁も、カレーも美味いわ。また来るわ」と早口で言って帰った。別の客がその様を見て、笑いながら「カレーもなんだ」と言ってい…

なぜか透明な夜

仕事がひと段落すると、急に一抹の寂しさのようなものが芽生える。東京の東側にあたる街に仕事場があったのだが、今日で一旦打ち切りとなる予定だ。そこに行かなくなると、今度は別の仕事が待っている。その別の仕事に取り掛かるまでの気の重さを抱えつつ、…

そんなワーキングピュア

土日に働くのはフリーランスの宿命。休みなく働いてやっと人並み、という僕にとっては仕事があるのは喜ばしいことだ。でも、僕の中身はフリーランスとして生まれてきたわけではないので、作業中は文句タラタラだ。PCが固まるたびに呪いの言葉を投げかけ、…

フィジカルから指示がある

僕はジョギングを継続できない男だ。運動不足を痛感しているので、常にスポーツを欲してはいる。でも、久しぶりにやると必ずケガをする。ケガをすると長期離脱する。長期離脱すると動く気をなくす。それでリアルに体力の低下ともろもろの数値の悪化が進み、…

重心低く、バネを使って飛べ

自分としてはかなり頑張ったと思うことでも、その頑張りが他人に伝わらないことは多い。逆に、自分が何も頑張らずに集中できるようなことは他人が褒めてくれたりする。その褒め方は揶揄とも取れる場合もあるが、とはいえ、その人にとっては「自分にはできな…

走れ、きっと間に合う

僕が最寄りの駅まで行くのに、自転車だと大体15分くらいかかる。それは、夏場で大汗かかないくらいのペースだ。目一杯飛ばせばもうちょっと早い。それでも10分切るくらいのスピードだろう。それで、駐輪場に停めてから駅のホームまで3分くらい。通常な…

コールドウィンターブルー

学生時代は夏が嫌いだった。厳密に言えば、部活ばかりしていたので夏の練習が嫌いだった。冬が好きというわけじゃないが、夏の暑さでバテバテの時に冬の冷たさを想像して一瞬の涼を得ようとする。「心頭滅却すれば火もまた涼し」という厳つい言葉に一縷の望…

ナイトコールは不吉な予感

今ではなかった頃を思い出すのも困難なほど、生活に深く浸透している携帯電話。いや、スマホになってからは携帯電話としても使っていない。持ち歩けるPCとして頼ってしまっている。時間は不可逆なものなので、スマホがこれから不便になることはないだろう…

アンチェイン昼飯しばり

僕は外出先での食事にこだわる。本当は、何もこだわらない気さくな人間でありたいと切望しているのだが、こだわらずにはいられない理由がある。僕のこだわりとは「チェーン店以外」ということだ。別にチェーン店がダメだと言っているわけではない。ただ、僕…

ギリギリのフチをつけ

今週は、年内の仕事における最初のヤマ場だ。とにかく急かされることになる。木曜日までの僕は、忙殺というより、忙死するかもしれない。もちろん比喩としてだが、忙しい方が気がまぎれる。ヒマだと気持ちも体力も落ちていく一方だ。怠惰な僕にとって、尻を…

最後のスケバン、あらわる

夜遊びを愉しむ大人は魅力的だと思うが、それを続けるのには体力も経済力も必要になる。その生活を続けて、楽しむためには、先行投資も必要になる。ただ毎日のように飲みに行っても飽きるだろうし、こちらから提示できる何かしらのオモシロ要素がないと、人…

見えない世界は驚愕の連続

出先のマナーとしてマスクの着用が半ば義務付けられているような世界になってしまったので、僕も外出時はマスクをしている。メガネをしてマスクすると曇るので、最近はメガネを外している。だから、移動中の視界はボンヤリとして曖昧だ。危険を感じることは…

からだはしょうじきだから

今年の自粛期間でスッカリ鈍ってしまった仕事モードのカラダの使い方。ここ数日、急に忙しい状況に追い立てられて悲鳴をあげている。僕は働くことが、それも単純労働をやらされるのが嫌ではないので、多忙には強いと思っていた。でも、その耐性は気質ではな…

口から出てくる悪魔たち

何がキッカケなのか分からないけれど、急に荒くれる時がある。あまり知らない人間のことを断片的な情報で悪し様に貶したり、その場にいる誰かと仲良しの人間を悪く言ったりしてしまう。そういう時は甘えているのだ。その場で自分が許されているとタカをくく…

じりじり迫るを踏みにじる

いま、今月内に締め切りの仕事で忙殺されている。締め切りのある仕事は、いくら良いペースで進んでいたとしても、それがすべて終わらないと安らげない。不測の事態を考えてのことではない。自分の心がもつ気がしない。今日はここまでと決めても心の奥で残務…

ヤツの名前はペインキラー

僕が高校生の頃、MTVで何度も流れていたモノクロのビデオがあった。激しいドラムの連打にキレ味のいいギターリフが分厚く重なり、ハイトーンの男の叫び声がこだまする。ジューダスプリーストの名曲「ペインキラー」。何度も流れていたのは、僕が家で何度…

ウォーキングラジオ

一日一万歩を目安にウォーキングしている人に「歩いていると退屈なので音楽を聴いているのだが、飽きてきたのでいろんな音源を探している」的なことを言われたので、オススメのCDを貸した。飽きたと言うのに近いジャンルの音源ばかり貸したのが気掛かりだ…

re:re:re:旅情は距離がものを言う

12年前にふと思い立って伊勢神宮に参った僕は、参拝のマナーに従うことなく外宮から内宮には行かずに次の目的地へと向かってしまった。伊勢神宮のある三重から、和歌山を経て大阪に入ろうと目論んでいた僕は、その和歌山で行きたい場所を見つけてしまった…