飛び交う花粉と敏感男

 はじめて花粉症という言葉を耳にしたのは、中学生くらいの頃だったと思う。当初は誰もその症状が出ていなかったので、どんな「症」なのか知りようがなかった。高校生くらいになると花粉症の人間が出てきて、春先になるとマスクと伊達メガネをかけたりするので、面倒臭い症状だなと思った。

 学生時代は花粉症を傍観者として過ごしたが、社会人になると鼻がムズムズするようになってきた。それでも「認めたら負け」という謎のルールを自分に課して、しばらくは放置アンド痩せ我慢の日々だった。その段階で花粉症なんだろうとは思っているが、面倒臭い対策をしなかっただけなのだ。

 つまり、20年ほど花粉症の季節は鼻水ズルズル、目ショボショボ、顔の粘膜全部かゆい状態が続いている。数年前にアレルギー検査で「スギ」の花粉症だという診断は受けた。ただ、それ以外のアレルギーは何もない。通年かゆいし鼻水も出るので、もっと多種のアレルギー持ちだと思っていた。

 さて、原因を究明したなら対策するところなのだが、やはり現在も注射を打つとか薬を飲むとかはしていない。現状、高尿酸血症(いわゆる痛風の原因)の薬を飲んでいるので、あまり薬を増やしたくはない。ナチュラル志向というわけでもないのだが、薬に頼っているということが不安ではある。

 長く花粉症に苦しんでいる人が「今年は薬が効いて楽だ」などと言っている、その声が鼻声だったりする。完全に治るわけじゃなく、部分的に楽になるということなのだろうか。この程度の効き目だったら、例年通りの痩せ我慢と変わらない気がすると思い、やはり今年も注射や薬は使っていない。

 ただ、定期的に通院しているので、そこで医者に「花粉症の薬も要るんじゃないか?」と言われたら、もらってしまうだろう。医者の前で薬を増やしたくないという感情論は通用しない。普通に「問題ない」と言われるだけだ。僕としては明確な論拠を示して欲しいのに、そういう説明はないのだ。

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かつての目薬のCMで、花粉が大量散布される映像はトラウマ級の衝撃。