夏の終わりはしつこい

 9月に入った途端に今日のような過ごしやすい天気になると、夏が終わったような気になる。もし僕が社用車で行動するような営業マンだとしたら、こういう日の夕方に会社へ戻る途中に涙してしまうだろう。営業車にラジオは必須だ。ラジオは季節感を重視するので、こんな日の選曲は要注意だ。

 山下達郎とか松任谷由実あたりの「ちょうどいい曲」をかけられたら、僕のような涙腺のパッキンが傷んでいる者は落涙必至だ。少し話は逸れるが、昨日もテレ玉で見られる『探偵ナイトスクープ』で、名作「社長さんと最後の登下校」の再放送をボロ泣きしながら見ていた。子供の涙には弱いぜ。

 僕が営業車で得意先回りしていたのは、もう四半世紀近く前だ。その頃はラジオだけが友達で、得意先で大した成果がなくても、会社へ帰るまでの道のりはラジオが励ましてくれた。担当エリアの都合で、会社に戻る時は西に向かうので夕日が目にしみる。まあ、その頃は今ほど泣かなかったけど。

 何月だとか季節だとかは人間が勝手に区切っているだけで、自然界にとっては与り知らない事情だ。それでも、不思議に日付と天気が符合する時がある。今日なんて、まさに「秋めいた」などと口走ってしまいそうな気温だ。酷暑の頃から走り始めたジョギングのおかげで、体感として分かるのだ。

 ジョギングは、折り返し地点まで2キロないくらいの距離だ。先月までは、そこまで行くのに途中でバテて歩くし、もちろん水分補給も必須だ。でも、今朝は走るのが楽で、全行程を走りきることができた。それも無理して走ったわけではない。ただ自然と足が前に出るので、休む必要がないのだ。

 何となく、学生時代の「ひと夏超えて1人前」みたいな感覚である。夏合宿で揉まれた1年生は、秋になると急成長するのだ。僕も酷暑の中ジョギングしたおかげで、涼しくなって足が軽くなったのだ。ただ、油断してはいけない。涼しいのは一瞬で、夏はまだ終わっていない。またすぐ暑くなる。

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大好きな酒場のほうれん草サラダ。昨日から断酒なので当分は食えない。