2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧
数年前のこと。夜中に酔っ払って帰宅する時に、自宅の近くで夜空を見上げると、空の端から端まで伸びる一本の雲があった。むかし、クジラだと教えられたようなスタイルの雲が東西に伸びていた。その姿は異様で、不吉な出来事の前触れにも思えた。不気味だと…
大学生の頃、当時お付き合いをしていた女性と、大学の近所の居酒屋に飲みに行ったことがある。部活の同期を誘って飲みに行こうと言ったら、そいつが面白い店があると言うので、連れられるがままに店に向かった。店に着くと、その店の女将が「占いができる」…
今日は、栃木県のお客さんのショップに訪問予定だったのだが、先方から「このご時世だし」と配慮してくれて延期となった。いよいよヒマだ。ヒマだけれど、都内の知り合いの事務所にはテレワーク対応の旨を伝えてしまっている。催促するように「仕事ないです…
フリーランスは時として死ぬほど暇なので、そんな時は現実逃避のプチ旅行に出ることが多かった。頭の中で言い訳をするなら「アウトプット過多でインプットが必要」などと知った風なことを考えてみる。要するに何も思いつかない状態なので、死なない程度の刺…
ライブやイベントなどは、自粛による延期や中止が相次いでいるが、音楽ファンはいつでも音楽的な体験を欲している。それは、実物のパフォーマンスに限ったことではない。何の気なしに入ったラーメン屋のBGMに心奪われ、以来そのアーティストとラーメンが…
昨夜、オンライン飲み会に参加してみたが、やはり家飲みには違いないので酔いがまわるのが早い。そして、他の参加者はひとり暮らしなので気兼ねなく話せるのだが、そこは実家者の悲哀。どうしても話せることと話しにくことがある。特に下ネタなどは、できれ…
多くの飲食店がテイクアウトをはじめたので、それらの店を応援するような気持ちで、そこの弁当を持ち帰っている。料理自慢の店のテイクアウトなので旨いのだが、やはり店で食べるのとは勝手が違う。容器に入れて持ち帰ると貧相に見える場合がある。見た目が…
若い頃は、世界を飛び回るような仕事に憧れを抱いていた。世界中に顧客がいて、それらの人に会わなければいけない仕事なんて想像もつかない。アーティストなら、そういう活躍の仕方が「成功」と直結するだろう。一般の企業で、ヒラ社員が世界を飛び回るとい…
これから記すのは、この世に体育暴力の嵐が吹き荒れていた、ある世紀末の架空都市の出来事である。その架空都市で大学のラグビー部に所属していた僕は、2年生になってすぐの朝練後に、ひとりの同級生を空気椅子の姿勢で待っていた。空気椅子。座った姿勢で…
思い出の倉庫を漁っていたら、埃をかぶったくだらない記憶がいくつか見つかった。小学生時代の、滑舌の悪い担任教師のせいで無駄に感じさせられた劣等感の思い出だ。小学校の担任は、すべての教科を教えるので1日中いっしょにいる。だから、授業内容に関係…
大勢で出かける時に雨が降っていたりすると、誰かが「雨男(もしくは雨女)、誰だよ?」と聞いてきたりする。誰でもないし、聞いて来るお前でもあると思うのだが、そこでは黙っている。そういう言葉が出る時に限って、僕だけがその場に初参加だったりするか…
フリーランスなので土日は関係なく働くものなのだが、先月来の土日の外出自粛が刷り込まれて、仕事がなくても焦らない。堂々と家でのんびり過ごしている。近所のドラッグストアで買い込んだアテとともに、夕方になればビールを開けはじめる。音楽を聴きなが…
最近よく聞くのが、仲間同士で直接会わずに、スマホやパソコンを介しての画面上で繋がって一緒に飲むというものだ。家飲みの気安さと、飲み会的な楽しさが両方味わえる。そう頭では理解しても、実家者なので家人の目が気になる。画面に向かって話している息…
家で過ごそうキャンペーン中なので、仕事の合間にスマホのプレイリストを整理してみた。毎日、流れる音楽が変われば気分も変わるはず。そこで、洋楽とJポップに分けた曜日ごとのプレイリストを作成した。その曜日に合わせてレギュレーションを変えたので、…
今まで家でできなかった仕事を、この自宅待機のタイミングでできるようにした。昨日は、家では初めて本格的な仕事に取り組んだ。そこで感じたのは、まだ慣れないということ。先月までは発注元の事務所でやっていた業務なのだが、そことの違いは場所だけで、…
昨日、都内のお客さんから仕事で呼ばれた僕は、先日来の在宅業務用対策が無駄にならないように軽く交渉した。まあ、簡単に言えば「家でもできますよ」と提案しただけのことだ。ギャラが日当換算なので、どうやって割るのか不安ではあるのだが、とりあえず「…
自宅待機を余儀なくされている状況なので、ほとんど最近のエピソードが更新されない。家にいても刺激的な出来事は起こらないし、家に刺激を持ち込みたくもない。だから、こういう場で記すネタなどは、思い出を掘り起こすことになる。すでに、かなり掘ったの…
屋内自粛の暇つぶしとして、知り合いから塗り絵をもらった。プロの画家さんが描いたアウトラインだけの絵に「好きな色を塗ってみそ」というサービスだそうだ。もらった絵は複雑な植物を描いたもので、全体像を把握するのが難しい。僕は塗り絵がとても苦手な…
東京と隣接しているとは言え、埼玉のハズレの不便な土地で育った者なので田舎臭い青春時代を過ごした。とにかく遊びがない。不良なら女の子とバイクなどを楽しんでいたのだろうと思うが、普通の子供はバイクに興味もなく女子も振り向かない。で、友達の家で…
在宅の仕事で使えると思い、このコロナ禍での自宅待機をいい機会と踏まえてアドビのデザインソフトを購入した。スタートアップキャンペーン的な特価が出ていたので釣られた。サブスクなので年間の定額制ではあるが、来年からは元の値段に戻る。でも、今の状…
あまり明確には覚えていないが、春になると新学期で、学校では毎年クラス替えが行なわれていたはずである。小学校のクラス替えは2年毎で、その間は同じ担任となる。女性の担任が2回だったので、男性の担任だった時の記憶が曖昧だ。覚えているのは、滑舌が…
昨日は出先での作業となったが、電車に乗って移動する際には緊張感が伴うようになった。なるべく周囲の人間と距離を取ろうと思うので、結界を張り巡らせているような感覚だ。でも、僕の結界など誰も知らない。余裕で突破されるし、突破した人を責めることも…
誰でも「下半身に関する悲しい思い出のひとつやふたつはある」と言ったのは、狩撫麻礼・原作、たなか亜希夫・作画の、個人的な伝説の漫画『ボーダー』の主人公、蜂須賀だ。この蜂須賀というキャラクターを通じて、狩撫麻礼が世の中に言いたいことを伝えてく…
以前、ラグビークラブに入っていた頃、海外から仕事に来ている若者がチームに参加することがあった。英会話の先生として働く人が多かった、というか全員そうだった。だから、当然英語圏からの移住者ということになる。個人差はあるが、日本語を問題なく使い…
むかしから怪しい店に惹かれる性分である。その怪しさは、自然が醸し出す怪しさ、つまり劣化によって怪しくならざるを得ない状態が理想である。ボロくて汚い店である。でも、人並みに清潔を好むので、その状態の店だと入れない。見て楽しむだけだ。ただ、そ…
TVドラマが好きな僕は、改編ごとにお気に入りのドラマをチェックしている。前期のドラマでは「ハイポジ」と「死にたい夜にかぎって」がすごく良かった。特に「死にたい〜」の方は、小説が原作だと知っていたので、それを読む前にドラマを観るジレンマと戦…
歴史上の人物で誰が好きかと問われると、僕は「武田信玄」と答えることにしている。これは、池波正太郎先生の「真田太平記」で描かれた武田信玄の存在感が圧倒的に「最強」だったからだ。信長、秀吉、家康と続く流れにおいて、信玄公はいかにも邪魔者だ。歴…
現在、世界中が目に見えないウイルスという敵に対して徒手空拳で立ち向かっている状況。できる手段は「手洗い・うがい」と外出自粛くらい。それでも製造業や物流、店舗は開けていなければ収入が途絶するので、それらの従事者は外出しなければいけない。完全…
小学生の頃、僕の通学路は学校の裏門からのアプローチだった。今では東西南北を理解しているので、あの門は東門に当たると思う。南門が正門とされていた。そちらは常に日が差し込んでいるので、明るく、校庭を突っ切って校舎に向かうアプローチとなるので「…