赤くぬりつぶせ
今日は、栃木県のお客さんのショップに訪問予定だったのだが、先方から「このご時世だし」と配慮してくれて延期となった。いよいよヒマだ。ヒマだけれど、都内の知り合いの事務所にはテレワーク対応の旨を伝えてしまっている。催促するように「仕事ないですか」と電話するのも躊躇われる。
先方からくる仕事は、基本的に最低のギャラだ。それで良ければ頼んでもいいですよという強気の商売だ。それに対して、こちらから「何かないですか?」と問うてしまったら、さらに先方の思うツボな気がする。足元を見られてしまうのだ。普段は性善説を信じているんだが、この時は別である。
アポなしで先方の事務所を急襲すれば、時には歩留まりの良い仕事を回してくれることもある。量が多い割りに、こちらの手間が軽いような高効率でコスパの良い仕事だ。でも、ステイホームのラストスパート的なことを言っている昨今、都内の事務所を回っての営業も控えた方が良さそうである。
これは、単純にウイルスの拡散に対しての配慮という面も当然ある。僕も誰かに伝染したくはないし、伝染されたくもないし、僕の移動により誰かが悲しい思いをする事態は回避したいと思う。やっぱり、こんな世界では外出しにくいのだ。時代は変わる。新型コロナ以降に備えなくてはいけない。
それと、僕がこのキャンペーン中にどれだけ周囲に配慮できたかという見えざる視線への対策でもある。意識を高く持って、オールジャパンで臨んでいる現状への協力を試されているような毎日だ。周りを見たり、聞いたりする限りでは、みんな疲れ果てている。こういう時は性善説を信じている。
昨日は、ひとつ仕事が減っただけなのに、その予定キャンセルの電話をした後に大きな喪失感に襲われた。そして、その穴を埋めるかのように塗り絵をはじめた。先日やり残したまま放置していたものだ。背景に「色を塗りたいな」と漠然と思っていたが、気がついたら真っ赤に塗りつぶしていた。