みんな飛べないエンジェルズ

 TVドラマが好きな僕は、改編ごとにお気に入りのドラマをチェックしている。前期のドラマでは「ハイポジ」と「死にたい夜にかぎって」がすごく良かった。特に「死にたい〜」の方は、小説が原作だと知っていたので、それを読む前にドラマを観るジレンマと戦いながら、でも結局は観ていた。

 小説も先日手に入れてイッキに読んだが、文庫版あとがきでさらなる後日談のようなものが読めたので、そこもすごく楽しめた。この本は、燃え殻の「ボクたちはみんな大人になれなかった」という小説を読んだところから始まっている。その本を気に入った僕は、彼のツイッターをフォローした。

 そのツイートの中で「こだま」という人の書いた小説を知り、その作品を読んだら、とても面白かった。そのこだまもフォローしたら、今度は爪切男という作家が出てきた。「死にたい〜」の作者だ。そこで、すぐに本を買おうと思ったが、僕は文庫でしか買わないタイプなので、しばらく待った。

 この一連の作家には共通点がある。それは、ここに挙げた全ての小説が実話に基づいた、当人の体験を綴った私小説であるという点である。世代的に近い(燃え殻は同い年)ものがあるので、その生きてきた道筋をトレースしやすいからアッという間に読めてしまう。そして、読後感はすこし痛い。

 これらは、自分にもあったかもしれないパラレルワールドのように読める部分もある。こだまは性別が異なるので、そこは多少異なるが、実感として伝わる痛みがあるのは共通している。そして、青春小説でもある。気取りのない、開けっぴろげな自分を記した、ある青春の記録を読ませてくれる。

 そうだ、ドラマの話をしようと思ったのだった。もうひとつの「ハイポジ」はマンガ原作だ。こちらのドラマも、主人公の設定年齢が僕と近い。内容は、1986年にタイムスリップして、当時の冴えない自分を書き換える話だ。そこで流れていた音楽が懐かしくて、当時の曲を聴きまくっている。

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あの頃の僕は「とんねるず二酸化マンガンくらぶ」が大好きだった。