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 仕事先に請求書を送る際は、窓付きの封筒を使う。10年以上前に都内の格安文房具店で安価で手に入れた窓付き封筒を、つい先日使い果たしてしまった。必要に迫られてからじゃないと動かない僕は、ここ数日その封筒を探して近隣を走り回っていた。そして昨日、やっと購入することができた。

 当初は、勝手なイメージで100均ショップに売っていると思い込んでいた。いくつか店を回って「あ、ここにはないな」と分かった。封筒のバリエーションはあるのだが、窓をつけてビニールを貼るという手間が100均には合わないのか、どこにも置かれていない。そうなると不安に駆られる。

 もしかして、窓付き封筒という存在自体が終わっているのではないか。まあ、そうならば封筒に手書きで宛名を書けば良いだけの話なのだが、せっかく作った請求書のフォーマットが窓付の位置に合わせたものなので、それを生かしたい気持ちが強い。なので、なんとしても探したいと思っていた。

 ハッキリ言ってしまえば、買った店に行けば見つかると思うのだ。ちょっと面倒な乗り換えがあるとはいえ、1時間程度の移動で手に入る確実性がある。いざとなれば、そこに行けば良いのだ。でも、近所でも買えた方が急ぎの時は助かる。そんな事情を踏まえて、ギリギリまで近所で探していた。

 いくつかの100均ショップを巡った挙句、初心に帰って「文房具屋に行くか」と思い至った。我が家から数分の位置に、昔からある古い文房具屋があることは知っていた。でも、そこは最後の頼みの綱として取っておいた。それよりも100均で買えた方が、どこでも買える感覚が強まるからだ。

 その近所の文房具屋を見回す限り、陳列されている封筒に窓付きは見当たらない。でも、店頭に「事務用品」と掲げてある時点で、ここにあることは確信した。店の人に声をかけて100枚セットの窓付き封筒を手に入れた。本当は「窓付き封筒」という言葉自体が通じるか不安だったが、通じた。

窓付き封筒を探し出した僕が次に探すのは、近所にいるというアライグマだ。