あらかじめダメージ回避作戦

 結果を知る前に、その事柄が上手くいかないと予想できてしまった時は、その悪い想定を先に誰かに話してしまう。そうすることで、実際に想定通りのことが起こった場合に受けるショックを緩和する。口にすることで準備ができる。頭の中で想像しているだけだと希望的観測が残ってしまうから。

 プロ野球中継を見ていると、何度も似たようなシーンを観ているから、容易に想像できてしまう。その想像を上書きしてくれることを期待しつつ、そうならないことが多いので悲観的な予想で免疫をつけておく。だから、好きな球団ほど観ている時の文句が多い。その文句は、愛の裏返しなのだが。

 プロ野球もシーズンが終盤になると結果が見えてくる。優勝チームが確定して張り合いがなくなる。そんな中で、最後まで優勝を争っていないチームの選手が個人タイトルを取ったところで、あまり意味がないように思える。それでもファン心理としては、最後まで頑張った証を手に入れて欲しい。

 いま応援する意味としては、対戦成績にこだわって来年に苦手意識を残さないようにして欲しいのだ。僕が悲観的な想定をしてしまうのは、そういう実績があって映像が脳内に残っているからだ。そういう映像を上書きしてくれるなら、この消化試合にも意味がある。そこに期待して観ているのだ。

 僕の応援しているチームは、後半戦に入って失速してしまった。ホームランによって雑に得点するが、相手の丁寧な攻めにあっさり失点するので勝ちきれない。素人の僕が指摘できるような弱点を持っているので、当たり前のようにそこを突かれて負ける。リーグ1打てるチームなのに負けるのだ。

 でも、その誰が観てもヘンな野球で勝つ面白味もある。その面白味は、弱小チームが注目を集めるという段階では有効に働いた。そろそろ次のステップに移行する時期ではないのだろうか。このようなことは去年くらいから思ってはいたが、実際のチームの内情は中にいる人たちにしか分からない。

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プロ野球のファンはいつでも片思いだ。それでも良い。勝手に感動する。