ディセンバーズ・ハイ

 年末は忙しいでしょうなどと人から言われるが、おそらく全然ヒマだ。ゆったりと年が暮れて、新しい年を迎えることになる。ヒマなので年賀状を作ろうと、図案を考えたりしている。自分でデザインした年賀状を得意先に送ることが僕の数少ない営業活動である。それが実ったことは一度もない。

 今月はいくつか楽しみなことがある。現在行なわれているサッカーW杯やプロ野球の現役ドラフトの動向など、気になるトピックは多い。そして、いくつか声が掛かっている忘年会も楽しみではある。ただ、年々この飲み会の数は減っている。ここ数年はパンデミックなので、仕方ない部分はある。

 僕のように週に何度も酒場に顔を出す人間にとっては、飲みに行くことは特別なことではない。主にひとり飲みで、その方が気楽ということもあるが、年齢的に同級生を誘いにくいのでひとりで飲まざるを得ない。でも、心のどこかには友だちと飲みたい気持ちがある。だから、忘年会は楽しみだ。

 酒場でひとりで飲んでいると言っても、そこにいる人たちとは仲良く話すし、時にはいっしょに出かけたりする。酒場で生まれた仲間意識で、ここ数年の僕の出会いは、ほぼ酒場で生まれたものだ。それは楽しいことだし、彼らから得られるインプットは多い。場所がつないだ縁による友情だろう。

 でも、古くからの友だちとの間に生じる親しみは深みがある。何度もこすった話を会うたびに繰り返しても飽きない。それは年イチくらいでしか会わないからだろう。学生時代の答え合わせみたいなことをして、四半世紀ぶりに知る新しい発見などもある。記憶は風化するので捏造もあるのだろう。

 学生時代にモテなかった僕は、あの頃の女子との共通点が少ない。女子はモテる男子としか話さないので、直感的に「コイツは違う」というのがバレるのだ。そんな女子に会って、当時の話を聞くのが好きだ。僕の知らなかった学生時代の女子の裏側を聞くのは、ある種の取材だとも言えるだろう。

大好きなラーメン屋の坦々つけ麺。この店に最初に来た時も緊張したものだ。