通りすぎた野球

 今年は過去イチの熱心さでプロ野球の試合を観戦した。現地観戦したい気持ちはあるが、声出しを控えた状態だと現地の面白味は減ってしまう。同じチームのファン同士の熱気を共有するという気持ちが薄いのだ。そもそも、僕の周りに同じチームのファンが少なかったということが根っこにある。

 ホーム球場で観ようと思ったら、横浜の関内駅まで行かなければいけない。埼玉東南の端っこに住んでいるが、家から関内までは最短で2時間くらいだろう。日程が合えば毎試合でも行きたいと思える距離ではない。年に1試合を知り合いの伝手で観に行く程度だ。とは言え現地観戦は格別である。

 プロ野球に関して、今世紀に入ってから言われ続けているのがプレーオフ制度の是非だ。長いリーグ戦を終えて、順位が決まった後で行われる「日本シリーズ」進出をかけた最終決戦である。リーグ1位のチームが負けると日本一決定戦に出られないのだ。これを不本意に思う人がいまだ絶えない。

 でも、このシステムになってから16年が経過している。もはや慣れた。シーズン中はリーグ1位を目指して、ポストシーズンに入ったら日本シリーズを目指す、二段構えの楽しみ方が板についた。そのためには、リーグ戦で3位以内に入らなければいけない。僕の応援する横浜は、2位で終えた。

 ポストシーズンは、ファーストステージを2位と3位のチームが争い、先に2勝したチームがファイナルステージに勝ち上がる。1位のチームにはアドバンテージの1勝が付与された状態で、ファイナルステージでは4勝した方が日本シリーズに進出する。ファイナルステージの初戦は本日である。

 僕が応援する横浜のチームはファーストステージで敗れ去った。ものすごく接戦というか、熱い試合の結果惜敗した。最後の打席で代打に立ったベテラン選手が初球をセカンドゴロでホームゲッツーという幕切れだったが、ファーストにヘッドスライディングした状態で泣く姿にはもらい泣き必至。

2017年に撮った浜スタ前の看板。もういない選手の姿もチラホラと見られる。