涙のラストゲーム

 昨日でプロ野球ペナントレースが全試合終了した。あとは今週末からのポストシーズンを待つばかりだ。優勝チームが決まってからも、最後まで盛り上がれる要素としてクライマックス・シリーズは大事になってきている。以前は違和感があったが、もうこの方式に慣れてきたので気にならない。

 昨日の最終戦は1カードのみ。その試合は日本人選手のホームラン記録更新が見もので、それ以外は消化試合とポストシーズンの調整的な意味合いが強い。ただ、今年限りで引退する選手は最後の出番なので、そこにはアツいものがあった。ヤクルトから3人の選手が引退する、その最後の花道だ。

 ヤクルト対横浜の最終戦。リーグ1・2位の対戦とはいえ、首位争いをしていたのは2週間前。2位の横浜は猛追したといえるが、とはいえ最後は地力の差を見せつけられた。ただ、今シーズンの後半は同一リーグ内で唯一のライバル関係にあった両チームだ。その最終戦をTVでアツく観戦した。

 先の引退する選手が2人、先発出場する。そのうちの1人は横浜からキャリアをスタートした選手なので、この最終戦の組み合わせは運命的とも言える。彼が2打席目で2ベースヒットを打った時、塁上ですでに泣いていた。そこから湿っぽい試合になっていく。彼らの涙が他の選手にも伝染する。

 試合を観ながら、茶の間で食事中の僕も泣けてしまった。これ以上観ていたら恥ずかしいことになりそうだったので、途中で観るのをやめた。僕の推しは横浜だが、この試合は負けても悔しくはない。ただ、モロに泣いている姿を家族に見られたくない。そのせいで、村上のホームランを見逃した。

 今朝ネットで、試合後のセレモニーとかをアップした画像をディグっていた。すると高津監督が横浜ファンに向けて「10月12日、神宮で待ってます」と言っていた。胸が熱くなる言葉だ。対戦成績では横浜が大きく負け越しているが、最後にライバルと認めてもらえたような清々しさがあった。

野球が終わると寂しいが、一喜一憂の日々から解放されると思うとホッとする。