ジーパンTシャツ、スニーカー

 10月に入って夏の気配が完全に消え失せてしまったが、油断しているとまた暑くなったりする。僕は特に衣替えというのをしたことがなく、年柄年中Tシャツや半袖のシャツを着ている。高機能アウターを持ってないので重ね着しないと耐えられないのと、汗かきなので上着を脱いで冷やすのだ。

 シンプルな服装が潔いと思うのだが、僕は派手な柄や色の服が嫌いではない。それは学生時代の反動かもしれない。僕が学生の頃、特に高校生くらいの頃は白Tとジーパンが定番だったのだ。それにテニスシューズ系スニーカーを合わせるのが流行っていた。いや、流行っているように見えていた。

 流行が見えるようになるのは、きっと都市部の大多数を直接見るようになってからだ。田舎の高校生には何も分からない。ファッション誌を見ても理解できないだろうし、そもそもメタル専門誌しか読んでなかった。その割にはバンドTシャツは買わなかった。どこで売ってるのかも知らなかった。

 それでも白Tにジーパンが流行っているように思えたのは、TVの影響だ。そんな格好の若手俳優(当時)が売れていたのだ。無個性の塊みたいな服装だが、その俳優の素材が良いから無駄な味付けは要らない的な発想だったのかもしれない。知らんけど。素材の良くない僕が真似しても無意味だ。

 いま、僕はジャージが欲しいと思っている。ラグビーのユニフォームじゃなくて、体育着的な方のジャージだ。オーバーサイズでちょっと派手な感じのジャージを、パーカー的に羽織りたいのだ。僕の頭の中にあるこの商品は、おそらく20年以上前の古着屋にあったもので、見つかる気がしない。

 買っておけば良かったと思ったものを、後で見つけられたことはない。そういう後悔が、物が捨てられない人間を育てそうだ。僕は物を捨てられるが、捨てるほど物がないので必要が生じてない。よくよくクローゼットを掘ると、何10年も着ている服がある。これは愛着か執着か、微妙なところ。

執着とは異なるが、データの整理が終わってないので捨てられずにいるマック。