一筆書きでは生きられない

 いろんなことをシンプルにしていくと、無駄のない生き方ができるような気がする。〈ミニマリスト〉というライフスタイルがあるが、全部捨てて最低限で暮らすのも悪くないだろう。最低限なので迷わないし、その分を別の建設的な思考に回せるということだ。良いことしかないとは思うのだが。

 若い頃は、スニーカーを衝動買いすることがよくあった。足のサイズが大きいので、ある時に買っておこうという発想があった。あとで「買っておけば良かった」と思わないように、気に入ったものでサイズが合えば買ってしまう。その都度、母親から「いくつ足があるんだ?」と嫌味を言われた。

 もちろんコレクター体質ではないので限度はあるし、リッチマンだったこともないので、それは〈安くて気に入ったもの〉に限る。それでも、靴箱には無駄に場所を取る僕のデカ足用のスニーカーが占めてしまう。気に入ったものを高頻度で履くとは言え、数が多いので劣化せず長持ちしてしまう。

 本当は気に入ったスニーカーを7色揃えて、1週間で履き回すみたいなことをしたい。自分固有のライフスタイルがあれば、それに当てはめれば良いだけなので、極端なミニマリストにならなくても日常に取り込みやすい。スタイルを持つ人をオシャレと呼ぶ傾向があるので、その称号も得られる。

 そういうアイデアは浮かぶのだが、現状がとっ散らかっているので修正が効かない。全部捨ててリセットするには先立つ資金がいる。本当に必要なものを最低限にするだけでもかなり軽くなるはずなのだが、そういう算段を具体的に進められないのは、僕が本気でそうなりたいと思ってないからだ。

 ジョギングしながら、全部の服をジャージやスポーツ用品に統一したら楽だろうなと思った。ジャージというのは機能性の最たるものだ。ジャージ素材はオシャレ着にも取り入れられているが、そうじゃなくていわゆる運動着だ。スタイルを決めることは制限を作ることだが、それが窮屈に感じる。

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ジョギング中に縞板を発見。この素材感に惹かれつつ用途は何も浮かばない。