ラストオーダーを止めて

 飲みはじめると楽しくなって、自力ではやめられないタイプだ。家では多少ブレーキが効くが、酒場だとサイフの中身が無くなるまで飲みたくなる。もちろん、そんな飲み方をしたら体も金も保たないので、頭の中で多少は計算している。飲むペースや、頼む酒の値段で微調整するだけのことだが。

 そんな僕が恐れているのはラストオーダーという言葉だ。いつも調子が出てきた頃に酒場は営業をやめてしまう。だから次の店へとハシゴするわけだが、結局最後の店でも閉店時間まで居座ってしまう。最後の店は、逆に「長居しすぎたな」と思うのだが、他の客との会話が盛り上がって帰れない。

 ヘロヘロに酔っ払って家に帰るのだが、最近は歩いているので疲れる。この状態で歩いて帰ることが健康に良いとは思わない。ただ、何がしかの贖罪の気持ちはある。飲酒による記憶力の低下により忘れてしまう今日の出来事や、そこに関わった人々、迷惑をかけたであろう酒場の店員への懺悔だ。

 ずっと我慢していた夜食だが、最近はあまりに腹が減ってしまい我慢できない。家の残りのおかずを漁って、翌朝に落ち込む。苦労して落とした15キロがリバウンド待ったなし状態なのだが、まあ太ったらその時だ。痩せたい気持ちがあれば対策するし、その気にならなければその体格で生きる。

 昨夜は、いつも最後に行く酒場が定休日だった。最初から知っていることなので、そのつもりでペース配分して飲んでいたはずなのだが、飲み足りない気持ちが募ってしまい、別の店に行こうとした。ところが、悲しいことにその店も休みだった。もっと飲みたい気持ちを抑え込んで家路についた。

 家に着くと「ちょっと飲むか」という気持ちが芽生え、晩飯の残りをアテにウイスキーのロックをすすりながら茶の間でウダウダ過ごしてしまった。最近この習性が常態化している。悪い傾向だ。太るのは構わない、でもアルコールに依存しそうな飲み方は避けるべきだ。戒めのために記しておく。

ビールのアテは濃い味が合う。酒場オリジナルチキンは無限飲酒不可避の逸品。