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 家で酒を飲むことがパターン化すると、なかなか外で飲む気が起きなくなる。我が家から酒場のある盛り場までは徒歩30分(しかも、わりと急いで)かかる。だからバスで出かけることが多い。そうなると億劫で、特に寒い日は気持ちが萎えてしまう。でも、それは家に酒が揃っている時だけだ。

 具体的に飲みたい銘柄があると、それが家にないので外で飲むしかない。出る口実があれば酒場へのポジティブなイメージが広がるので、勢いで盛り場へと向かうことができる。その勢いは生きる活力と同じ意味だ。みなぎる力は外に向かわなければいけない。内向きになると暗い集中力に変わる。

 あまり外出が歓迎されていなかった数ヶ月の間、僕の飲酒欲求も内向きなものになった。その間は家に置く酒のバリエーションを考えて、ビールも絶やすことなく揃えていた。6缶パックを3銘柄ほど買っておき、3種類飲めるようにしておく。このおかげで飽きない家飲みビールライフを過ごせた。

 もしかしたら、その時期からのツケが溜まって痛風発作が爆発したのかもしれない。ビール3本飲んだら止まらなくなり、芋焼酎のロックからウイスキーへとなだれ込む。本当は自室で飲みたいところなのだが、上階に上がってしまうと氷を取りに行くのが億劫だ。だから、基本的に茶の間で飲む。

 横に母親がいる状態で飲むので、話し相手にはなってくれる。でも、酒場で話すようなバカ話はできない。どちらかと言うと家族のことが中心で、今年の春に亡くなった祖母の思い出話が多くなる。あまり深く知らない過去を聞くたびに、もっと話しておけば良かったと今さらながらに思わされる。

 とは言え、そのような話ばかりでは湿っぽくなってしまう。僕は外向きに発散するタイプなので、どうしても家だと飽きてしまう。ビールの種類を揃えても、缶ビールよりは生の方が美味いのだ。昨夜、久しぶりに家で飲んだら、逆に酒場で飲みたくなってしまった。今日は絶対に外で飲んでやる!

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若い女バーテンダーが注いだギネスに描かれたシャムロックが可愛い。