ステップ・バイ・ステップ

 お上から緩んできたなんて言われると「根性論かよ」と反発してしまうが、結局のところ最後にものを言うのは根性だと思っている。とは言えウィルス対策は根性で乗り切るものでも、ただ我慢するものでもない。海外が、日本の現状を「不思議だ」と語るのは、この国が無策に見えるからだろう。

 僕は、この間キッチリと自粛生活を貫いていたワケではない。仕事で出かける日もあれば、帰りに飲食店に寄る日もある。ただ、今までと何ら変わりない生活をしていたということでもない。基本的なリスク回避を行なった上で、密度の低い場所を選んでいた。でも、客観的に見たら甘いとは思う。

 僕のような甘い自粛生活の人間が「緩んでいるよ」と言われる分には、素直に「気をつけます」と思える。でも、それは周囲の人の言葉だからだ。直接迷惑をかけるかもしれない人の言葉は重い。だから、そこに迷惑が及ばないように心がけて生活している。その「気持ち」が僕のウィルス対策だ。

 昨夜は酒場がすいている予感があったので、帰りにチョロッと覗いてみた。ソーシャルディスタンスが保たれていると言えば聞こえは良いが、単に週のアタマですいているのだ。この自粛期間で、かなり曜日感覚がズレている。しかも、家にいることが多いので毎日の密度も薄く時間がすぐ過ぎる。

 とにかく、ちょっとだけボケッとした僕は、酒場のカウンターに落ち着いた。自粛という旗印を良いことに、家飲みのし過ぎで痛風の兆候である母指球がジワッてきた。それでも、この日は外で飲みたい気分だった。それは5月末締めの仕事が終わったからだ。いわゆる「ひとり打ち上げ」である。

 完全テレワークの業務では、メールが際限なく送られてきて全然締まらない。僕としては数日前に終われたと思うのだが、現場を監督していないので言い訳する隙だらけだ。結局ギリギリまで引っ張られる。その付き合わされた時間を帳消しにするための飲酒だ。本当は経費で落としたいところだ。

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