ガラ空きの隙間にヒット

 今朝、予約した歯医者に行ったら、もうすぐ治療が終わりそうな感じのことを言われた。思い返すと、今治療している箇所は5年くらい前から触っている。そして、実際にはまだ治ったわけじゃない。それでも長い治療期間を考えると「やっと終わるのか」との感慨に耽ってしまう。今夜は飲もう。

 その歯医者で、治療室に案内する看護師さんから「シャツ、良いですね」と言われた。別に新しいシャツを着ているわけじゃないのだが、派手な柄が入ったシャツなので目立ったのだろう。咄嗟にシャツを褒められたことは初めてではないのだが、いつもあらぬ方向から言われるので慌ててしまう。

 せいぜい「あ、どうも」と答えるのが関の山なのだが、もっと気の利いた言葉を返したい。とは言え、この抜き打ちの褒めを喰らう時に着ているシャツは毎回違うのだ。思い返すと、過去に3回ある。その度に狼狽えて、ヘラヘラと笑うことしかできない。何年生きて来たのだ。何も学んでないぜ。

 最初に褒められたのは、相手が外国人の女性ということもあり、かなり年上っぽかったので返す言葉が見つからないのは仕方ない。ただ、その時に言われた言葉は印象的だった。アイ・ラブ・ユア・シャツ。何かのキャッチコピーのようだ。そのシャツはお気に入りで、衿が擦り切れても着ている。

 そのあとは、友達に付き添って家電屋のパソコン売り場にいた時に、販売員の女性から「音楽やってるんですか」と聞かれた時だ。正確にはシャツを褒められたわけではないが、シャツの柄に楽器がプリントされていたので指摘されたのだ。その時は「やってないですよ」と普通に答えてしまった。

 他にも何度かあったような気がするが、女性から言われたことしか覚えていない。モテたくて柄シャツを着ているわけじゃないのだが、男性からシャツを褒められても嬉しくないので記憶できないようだ。そして、気の利いた言葉を返したいということは、やはり内心ではモテたくて仕方ないのだ。

静岡の茶畑横にあった謎のタンク。旅行中は大きくて目立つので目印にされる。