28本の来し方行く末

 今年の5月あたりから近所の歯科クリニックに通っているが、いまだに完治する目処が立たずにいる。歯の根元に膿みだか血だかが溜まっていて、そこに消毒液を注入してクリアにする治療だそうだ。左の奥歯の上下1本ずつ治療中なので、食事の時は右で噛む。そんな不便な状態が半年以上経過。

 大多数の人間が同じだと思うが、歯医者に行くのは憂鬱だ。痛いから通っているのに、治療でも痛みを伴う場合がある。今日の治療は深いところまで攻めたので、現在ものすごく痛い。でも、この痛みを経ないと終わらないと思って仕方なく我慢している。通いたくないから通っているとも言える。

 僕は鼻の通りがあまり良くない。だから、歯の治療中に口を開けっぱなしにしているときは苦しい。呼吸はできているのだが、感覚的には口を塞がれているような気分だ。そのうえヨダレが溜まってくると、溺れそうな恐怖を感じてしまう。痛みには耐えられるが、あの感覚にはいまだに慣れない。

 治療中の僕は全身に力が入っており、治療が終わると下半身が汗だくになっている。服を着ているので見えないが、シートには汁気が染みていることだろう。治療後に尻をさすると、ほんのり湿っている。こんなに不愉快な思いをするのに行かなきゃいけない場所なんて、この世で歯医者くらいだ。

 こんなに長く同じ部位の治療で通っているのに、もしかしたら「抜かなければいけないかもしれない」とも言われている。この間の治療を無効化する嫌な言葉だ。絶対に諦めてほしくない。こんなに何度も痛い思いをさせられた挙げ句に、歯を抜かれたら割に合わない。この歯は僕が守らなければ!

 歯が痛すぎて思考が過激化しそうなので、そろそろ痛み止めを飲もうかと思う。痛みは我慢するものじゃない。消すものだ。なんとなく歯の痛みの原因が自分のメンテナンス不良にある気がして罪悪感を抱えてしまうのである。虫歯の原因はコチラにあると考えてしまう。無駄な自己嫌悪は捨てよ。

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いつまでも自分の歯で食べたいものだ。この牡蠣南蛮そば、美味そうでしょ!?