半袖のシーズンを前に

 気に入った服というのはローテーションの軸となるので、必然的に傷むのが早い。特にTシャツの劣化は甚だしく、首の周りがくたびれたシャツが何枚もある。デザインが気に入っているので見るからに大きな穴でも開かない限り、長い間ずっと着ている。だから、僕の服は増える一方なのである。

 それでも傷みが激しいものをまとめて処分したりすると、一気にワードローブが寂しい感じになる。なんか「着るもんが全然ないな」とクローゼット前で呆然としてしまう。いや、実際にはあるのだが、適当に買った服の数々はどう合わせてもダサい。カッコつける気はないのだがダサいのは嫌だ。

 歳をとると体型が崩れるので、なんとなくTシャツ一枚で夏を過ごすのは心もとない。半袖シャツを上に引っ掛けることで体型をカバーしつつ全体のバランスをボヤけさせる。その効果を狙って柄シャツやアロハシャツを毎年購入してきたのだが、最近痩せたので違う意味でバランスが崩れてきた。

 ぽっこり腹が解消されたのなら、やはり夏はTシャツ一枚だけで過ごしたい。その方が気楽だし、洗濯物も減る。そう考えてクローゼットを再度眺めると、どうも一枚で勝負できそうなパリッとしたTシャツが見当たらない。ずっと柄シャツのインナーの役割しかなかったので、単体では弱いのだ。

 そういえば、ここ何年も一枚だけで勝負できるようなTシャツを買ってない。僕の中ではバンドTシャツなどはそれに当たる。でも、僕はバンドTシャツがあまり似合わないのだ。理由は知らないが、なんか着ていて違和感がある。バンドをやってないからだろうか。そんなヤツ無限にいそうだが。

 そんな折に、行きつけの酒場が夏に向けて店のオリジナルTシャツを作ろうと考えていると言う。僕がデザインするわけじゃないけれど、制作にちょろっと絡むので、僕個人のオリジナルTシャツを相乗りで作れないかを目論んでいるところだ。夏に向けてワクワクする取り組みだが結果は如何に?

夏の昼下がりにテラスでコーヒーなんて雰囲気だが、僕はコーヒーを飲まない。