その海は涸れているのか

 直接連絡を取らずに、間に人を介して受ける仕事がいくつかある。そういった仕事でも、請求書は仲介人ではなく直接の発注元に送らなければいけない。実際には話したこともない相手なのだが、入金のトラブルがなければ連絡することもない。そんな関係性なので、逆にスムーズだったりもする。

 でも、そんなドライな関係性も長くは続かない。会社というのは経営状態が怪しくなると、外注費の払いが渋くなるものだ。経営が健全だった頃は滞りなかった支払いが、急に止まったりする。直接面識がない僕のような零細個人なんて真っ先に止めたいところだろう。気持ちは分かるが汲まない。

 そんな案件が先月あたりからポツポツ出てき始めて、いよいよこのフリーランス稼業も潮時かなという思いが強くなってきた。今さらできることなんて何もないが、選ばなければ仕事はあるはずだ。選んでいるので再就職し損なったというのもあるが、果たして本当に選ばなければ仕事はあるのか?

 ちなみに現状の仕事でどこかの会社に入ろうとは考えにくい。斜陽産業のトップオブトップの業界だと思うので、このまま今の業界に居続けるという選択肢は元からないのだ。ただ、すこしだけ技術を学べばキャリアアップの可能性はゼロではない。その場合、未経験からのスタートになるのだが。

 未知の領域ではないのだが、実際に経験がない業務に関して知ったかぶりは厳禁である。僕は「できる風」を装うクセがある。相手にナメられたくないのだろう。でも本性がバレた時の恥ずかしさの方が大きいので、そこは素直に自分の程度を伝えれば良い。多様性の時代だから分かってくれるさ。

 なんか頭の中で就活が具体化しているが、ハッキリ言って当てはない。最初の就職以来マトモな会社に入れたこともないので、仕事選びのセンスは絶望的にない。最後に勤めた会社の最後も倒産なので、見る目がないのだ。拾う神が見つけやすいように一目でわかるアピールをした方が良いだろう。

上の方は綺麗だなと見上げてばかりの人生だが、地べたを這うのにも飽きた。