ドーム状のスタジアムにて

 昨日の日曜日は、酒場の仲間たちと所沢の野球場でプロ野球交流戦を観た。パーティテラスという特殊席で、普通のベンチではなく、部屋割りされたスペースでソファに座って観られるゴキゲンな席だった。パーソナルスペースの近さによるストレスが一切ないので、気持ち良く試合を観戦できる。

 その球場はドームなのだが、密閉型ではないので、屋内の気温は外気の影響をダイレクトに受ける。昨日は記録的な猛暑で、もはや夏の暑さだった。でも、上の方の席で風が吹き抜けるので涼しく、気温問題もクリアできた。あとは応援しているチームが勝つだけだが、結論から言うと惜敗である。

 展開としては最終回に勝ち越しホームランでのサヨナラ負けなので、均衡が続く手に汗握る試合ではあった。最後まで楽しめた。どうしてもひとつの負けを引きずってしまいがちだが、せっかく良い席で観ているのに落ち込みすぎるのも良くない。とは言え、思い返すだに悔しさが込み上げてくる。

 こういう時は同じ気持ちの人の言葉に救われようと思い、ツイッターで今日の試合についてのコメントを拾っていった。そうすると、罵詈雑言よりも戦略的にどこがポイントだったかということを論理的に解説している人がいて、その言葉に救われた。だから、帰りの電車の中では立ち直っていた。

 酒場の常連同士なので、みんな地元は近い。いつもの駅に戻ってから軽く飲みに行った。そこではいつも通りの会話に戻っていて、取り留めのないクロストークで日常に戻っていった。さっきの試合で振り返ることは、すでに電車の中で済んでいる。あとは感想戦を後日集まった時にするのだろう。

 地元で飲んで解散したあと、どうしてももう一杯飲みたくて、さっきまでみんなで飲んでいた店に戻ってカウンターで飲み直した。僕だけは高揚した気分が鎮まりきらなかったらしい。腹も減っていたので、グラタンをギネスで流し込んで落ち着いた。結局、人間最後はひとりということだろうか。

結果は9回裏に相手の代打ソロホームランでの勝ち越しという劇的なものだ。