静かに見守る特訓その1

 プロ野球中継を観ていると、自分の好きなチームがエラーなどで自滅する様に声を荒げてしまうことがある。そのうえ負けていると不機嫌になるし、荒い言葉を使ってしまう。家の茶の間で観ていると母親に怖がられている気配がある。変な圧力になってしまうので、機嫌は損ねないようにしたい。

 野球中継はホームチーム寄りの実況解説が入るので、普通に戦況を見守っていても不愉快な解説が入ったりする。ホーム側の情報が多いのは構わないが、ビジター側のチームの情報が適当だったりすると「そんなに嫌うなよ」と思ってしまう。野球中継自体が、こちらの不機嫌を刺激し続けてくる。

 たぶんサブ音声かなんかでアングルの異なる音声解説があると思うのだが、逆にそれだとコチラの情報が多くなってしまい、相手のデータが得られない。まあ、ホーム贔屓の放送では大したデータは言わないので、あまり参考にはならないところもある。ただ、完全にミュートしても面白くはない。

 とにかく、僕は機嫌良く野球中継を観ていたいのだ。僕の感情が振り回されてしまうのは、チームが勝ち越さないからだ。昨年、待望の生え抜き監督が就任してからずっと勝ち越せていない。勝率が5割を越えていたら、こちらも心静かに観戦できる。でも、そこに追いつくまでは荒くれてしまう。

 酒場などで見ると、周りには野球の結果に左右されて機嫌がグラグラの人は少ない。みんなそれぞれの球団のファンだが、勝敗の結果で機嫌が変わる人は少数だ。その少数派の不機嫌な様を目に焼き付けて「アレはいかん」と気を引き締めるのだが、喉もと過ぎた熱さのように早々に忘れてしまう。

 でも、茶の間で母親を不安にさせるほどの不機嫌は良くないので、今夜は結果如何に関わらず最後までゴキゲンに観戦してみよう。このチャレンジで僕に変化が起こるだろうか。自分の性格などは変わらないが、野球観戦のスタイル自体は最近身についたものなので、まだ間に合うような気がする。

現地観戦の勝率が低すぎるので、せっかくの横浜を楽しむ余裕がないという。