エレクトリックアーム

 睡眠は大事だと寝具メーカーの広告などで言われるまでもなく、眠ることは健康と深く結び付いていると思う。なるべく安らかに眠りたいものだ。でも、いま現在のベッドの寝心地はイマイチだったりする。僕の体のサイズに合ってない。足がはみ出している。寝起きに腰や首の痛みが出たりする。

 僕にとって理想の寝床は、ビジネスホテルのカチカチなマットレスだ。あんな感じのベッドで雑に寝るのが好きだ。だから、出張先では気持ち良く目覚められる。ストレスや緊張があるはずの知らない土地でこそ安眠できるというのは、不思議な話だ。すべては寝床が自分の体に合っているからだ。

 たぶんベッドじゃなくて床に布団を敷いて寝た方が眠りやすいと思う。でも、ビジネスホテルでの快眠経験があるので、あれを家で味わいたい気持ちがある。もうしばらく今のベッドを使おうと思ってはいるが、いずれは布団に戻るだろう。若い頃はどんな場所でも眠れたし、快眠できたものだが。

 数日前、寝起きに腕の感覚がなくなってしまった。腕を体の下にして寝たら痺れてしまい、感覚が戻るまで時間がかかった。あまりにブランブランで、本当に壊死してしまったのかと思った。かなり恐怖を感じるシチュエーションなのだが、寝起きの惚けた頭には夢の続きのように思えてしまった。

 ただ、後日朝起きた時に、あの時の恐怖が蘇ってきた。目覚めてふと、腕の感覚を確かめてしまう。頭の片隅に、腕の感覚を失った時のリアリティが刷り込まれている。だから、朝起きるたびに思い出すのだ。変な不安のルーティンが朝のオプションに追加されてしまった。徐々に忘れつつあるが。

 そういえば、すこし前に早起き生活に切り替えようと誓ったような気がする。こんなにぼんやりしているということは、当然まだ切り替わってはいない。腕の痺れ確認ルーティンは、早起きのキッカケにできないだろうか。ちょっと気分は悪いが、その気分の悪さを早起きにポジ変換させてみよう。

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酒場で食べるナポリタンは罪の味。この夜ふかしが僕の早起きを妨害する。