わざわいのもとは口

 昨日ここに、迂闊な自分の発言について反省するような文言を記したばかりなのに、昨夜も酒場で迂闊な言葉を吐いてしまった。しかも、最近は迂闊な発言が多いから気をつけなくちゃいけない、というような話をした直後にポロッとこぼれてしまった。その点を隣の常連客にちゃんと注意された。

 言ってもらえて良かった。悪口のつもりはなかったけれど、他人の大事なものを傷つけるような言葉だったからだ。人と人は分かり合えないと思っているタイプではないのだが、あんな言葉を吐いていたら誰とも分かり合えないだろう。それは僕が閉じているからだ。つまらないという決めつけだ。

 あまり自分で認めたくはないが、酒場で僕の傲慢さが散見されているようだ。バレないようにしていたが、どうやら周りは気付いているらしい。恥ずかしい男だ。自分がイチバン面白いと思っている。または、何が面白いことかを分かっているといった驕りだ。そんなヤツが面白いわけがないのに。

 昨日の夜僕に注意したくれた人は、かつて僕に大事なものを無価値なものだと言い捨てられたことを覚えていた。そのことは、僕も覚えていた。本当に失礼な話だ。誰かにとって大事なものは、例え自分と意見が違っても、その気持ちを尊重して黙っているべきだ。それを無邪気に腐してしまった。

 僕がその時に言った言葉などは、僕の自前の意見でも何でもない。誰かの言葉のコピペに過ぎないのだ。それを、あたかも自分の意見のようにくちばしを挟んでしまったのだ。いい歳してエッジの効いた意見を言うと思われたがっているのだ。そういう知識で見栄を張るようなところが残っている。

 先の人とは、その後気まずくなったわけではない。素直に反省したが、その気持ちを直接伝えたかどうかは覚えていない。曖昧に恥ずかしがって「ごめんなさい」とか言ったような気がする。もっと丁寧に生きた方が良いと思えてきた。すべての局面で正解を出せなくても、丁寧を心がけるように。

f:id:SUZICOM:20220409175404j:plain

そろそろ本気で気分転換の無計画旅行に行きたい気持ちが高まって来ている。