アニバーサリーで泥酔

 開店以来ずっと通っている居酒屋が、5周年を迎えた。その感謝祭としてワンコインで飲める特別営業を行っていたので、昨日は昼から顔を出した。毎年、この日は酔い潰れる。長時間飲んでいるからだろう。翌日は失った記憶に思いを馳せつつ、店での言動や態度に問題はなかったかを反芻する。

 果たして昨日も飲みすぎてしまった。江戸っ子は宵越しの金は持たないなどと言うが、財布が空になるまで飲み切った。でも、記憶は飛んでいない。すべてをハッキリと覚えてはいないのだが、完全な空白はない。その上で、やっぱり酔った時の自分は荒い部分があるので、反省するところはある。

 若い頃は、飲み会の途中で帰ることができなかった。よく言われるところの「自分が帰ってから飲み会が面白くなるのがイヤ」だという気持ちもあるし、普通に飲みの席が楽しかった。その感覚は変わっていないが、最近は記憶を無くすので「去り方」を模索しているのだが、まだ見つかってない。

 そんな気持ちを残しつつ飲んだから、記憶だけはキープできたのかもしれない。それは飲んでいる時の荒いオッサンが、酒場でクダを巻いている残念な姿だ。そんなもんは忘れても構いやしないのだが、いざ忘れてしまうと心配になる。やはり今後は去り方を見つけておいた方が幸せかもしれない。

 やっぱり酔うと他人に迷惑をかけることになるのだ。ダルい絡み方をしてしまう。若い頃の僕は「酔っても全然変わらない」とか「酔っていたと気付かなかった」と周りの人から言われていた。さらに過信して、自分は酒が強いもんだと思ってきた。僕が酒場で長っ尻なのは、それも起因している。

 ただ、以前は酔えば酔うほど冷静になろうという思考が働いていた。たぶん大学時代の先輩との飲み会で、トチらないように引き締めていたクセが抜けないのだ。今ではそんな意識は持ってない。その場を楽しんでいるだけだ。昨日も楽しかったので、それならば大丈夫だったんじゃないかと思う。

この写真の風景は宇都宮の何処かなのだが、細かい場所はまるで記憶にない。