昼下がりカメラウォーク

 昨日は酒場の店員さんが写真の個展をやっていると聞いたので、昼過ぎにフラッと見に行った。ギャラリーの場所が分かりにくいので、恐る恐る神社の横をのぞいたら、その店員さんが帰るところだった。もう終わったのかと思ったら、特に個展というわけではなく写真を展示しているだけだった。

 そこはアパートを改装してカルチャースクールなどを開催する場所なのだが、展示はそこの前の塀に写真を貼り付けてあった。手作り感のある施設らしく、学園祭の展示を思わせる可愛らしさだ。その中でどれが一番気に入ったか聞かれたので、印刷が消えかかった古い看板を撮った写真を選んだ。

 いろんな人が撮った写真だと言うことで、僕が選んだものは店員さんの写真ではなかった。僕に写真やカメラの素養はないので、選ばれたところで有り難みはない。それでも一応顔を出した手前、当人の写真も褒めておこうかとも思ったが、写真を褒めるボキャブラリー不足により、やめておいた。

 ただ、そういうアートの片鱗に触れたので、街を見る目がアートモードになった。細部を切り取るというか、トリミングすることで意味を付加できるような気がする。そうやって、また写真の羅列を見ていたら、別の写真が気になった。どこかの物流倉庫の駐車場で、螺旋の上部だけの写真だった。

 その写真が何かに似ている気がして、ずっと考えていた。その後で「あ、ウィルコの『ヤンキーホテル』のジャケットだ」と思い出したのだが、ソレを伝えたところで何も起こらない。僕の気持ちは思い出せたことで晴れたのだが、でも、できればこういう感想はその場で直感的に言いたいものだ。

 ずっと前に、我が家から北千住まで歩きながら、道々気になったものを写真に撮ったことがある。何かの本で「被写体にはなるべく近づくように」と読んだ記憶があるので、そんなことを意識して撮った。ただ、あまり近づき過ぎるとピントが合わないので、ほどよい距離に戻ると全然面白くない。

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旅先で見つけた薬草の看板。ドラクエ以外で薬草を扱う店を初めて発見した。