なんでもない救いがある

 困ったことがあったり、ちょっと上手くいかないことがあっても、僕には常に酒場がある。別に酒場の店員や常連に相談に乗ってもらったり、具体的に力を借りたいという魂胆はない。ただ、そこに行くだけで力みをほぐすことができる。仕事によって遠くに行ってしまった魂を日常に戻せるのだ。

 現在の僕は痛風の気配に怯え、酒場で心をほぐすことができない。シラフでいても魂は上の空を彷徨ったままで、心の落とし所がないようだ。どのみち仕事はパンパンなので、引きこもって没頭すれば良いのだ。飲まなきゃ金もかからないし健康にも良い。そこでハタと気付くのだ。健康の意味を。

 僕に限ったことだが、僕が健康でいたいと願う理由はいっぱい食っていっぱい飲むためだ。体を壊すと食事の量も減るし、酒の量も制限される一方だ。健康体ならば医者も口を挟むスキがなくなる。そのために今年の大部分を犠牲にして節制し、ジョギングも日課として定着してきたところだった。

 それが数日前の痛風発作によって崩れた。自分が根っから健康ではないことを思い知らされてしまった。おそらく日曜日に飲み過ぎたのがキッカケになっている。でも、宣言解除後に酒場に連日通いはじめているので、酒量の自然増による発作だったとも言える。どのみち飲み過ぎが原因なわけだ。

 仕事で頭パンパンな状態の僕が、さらに酒場でのリラックスタイムを禁じられて四面楚歌の状態である。今日も朝から仕事のメールをチェックしたら、さらにイレギュラーな仕事が入っていた。総量としては大したことないのに、同時に固められるのは誰の差配なのかと、恨み言でも言いたくなる。

 この先も忙しそうだと思ったら、急に髪の毛を切りたくなった。頭髪のことは何年も同じ人に任せている。急に連絡したら「大丈夫」ということなので、早速切ってもらった。散髪というのは大いなる気分転換になるものだ。僕の髪型なんて「生えっぱなし」同然なのだが、それでもスッキリした。

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僕にとってはオアシスへの道標のようないもやの看板。とんかつは救世主である。