花束抱えて駆けつけよう

 すこし前に古いメールを削除していたら、いくつか女性とのやり取りを見つけた。ほんの数年前のことだが、かなり前のことのように感じる。それらの女性とは疎遠というか、よもや連絡するキッカケも掴めない。こちらの記憶もかなり曖昧だし、先方にしても「あんた、誰?」ってなもんだろう。

 それらのやり取りは、僕の婚活とまではいかないけれど、最後の恋愛期のような気がする。いまは全くその気がない、というわけではないのだが、何も起こらないし何も起こさない。心も日常も凪いでいる。凪の心ではドキドキを求めるテンションになれない。何歳になっても恋したって良いのに。

 恋人がいる生活は楽しい。休日が段違いに充実する。いま恋人ができたら、僕はきっとクルマを買うだろう。いや、待てよ。電車で出かけて、行った先々でちょい飲みするのも良い。やっと苦手だった日本酒を克服したので、その土地の地酒を飲みながら地元の蕎麦屋というのも楽しそうじゃんか。

 あ、これはひとりでもできるな。でも、こういう気ままな動きを連れ合いとしたいのだ。相手が楽しんでくれる人なら良いが、すぐに疲れたとか言われそうだ。これは経験からくる懸念だな。どうも僕は相手に合わせてしまう。勝手気ままに動いて、イヤなら嫌われれば良いだけのことではないか。

 たぶん、僕が考えるプランで動き回ることは楽しい。僕が酒場でポロッとこぼした行きたい場所などに、飲み仲間が先に行ってマーキングされてしまうことがたまにある。そのエリアに先に行かれてしまうと、なんとなく先に行った人の縄張りのようになる。行動力が企画力を蹂躙する瞬間である。

 その点、パートナーがいると、思いついた時に提案すれば良い。僕が思いつくのは「いま行きたい街」くらいのもんだが、そこに行ってしたいことのリストくらいは考える。そういうプランニングが楽しいのだ。ひとりでは面倒になることが、相手がいることで楽しくなる。急いで恋をしなければ!

f:id:SUZICOM:20220205130642j:plain

出先の食事で真っ先に浮かぶのがメンラー。こんなことではデートは遠いな。