走馬灯が止まらない

 キャリアメールの送受信が不調なので、古いメールを削除した。受信の方は頻繁に捨てていたのだが、送信の履歴を見たらもの凄い量の履歴が残っていた。過去10年分ほどの送信履歴だが、最近では他の通信ツールが主流になっているので直近数年はそれほど多くはない。古いものが残っている。

 面倒なので一斉に削除してしまおうかと思ったのだが、中には履歴を消したら二度と連絡できないアドレスもあるかもしれない。そんな風に言い訳して、古いものから確認して消して行った。そうやって履歴を遡ると、忘れていた女性とのやり取りがあった。当時は合コンなどを頑張っていたのだ。

 さすがに本文までは読まないが、やり取りの経過は追ってしまった。半年ほど続いているものもあれば、数回のラリーで途絶えるものもある。当時の僕に「もうちょっと粘れよ」と思う反面、チラリ見えるメール本文に心配なものを感じる。ウケ狙いというか、意図の伝わらない笑いの強要なのだ。

 あと、高校ラグビー部のOB会の幹事をやらされていた時があったので、やたらと同級生や後輩への連絡が多い。今のようにライングループで一斉に出欠が取れなかったので、ひとりひとり確認しなければいけない。その苦労が滲むようなやり取りの履歴に、当時の僕に労いの言葉をかけたくなる。

 その中で最も心を動かされたのは、釣りの連絡だ。もう何年も行ってないけれど、僕は川でニジマスを釣るのが大好きだったのだ。それが次第に海へと変わり、僕の嗜好と釣り仲間の方向性が微妙にズレてゆく。キャリアメールの中では、まだ川釣りの段階で、僕が釣りを楽しんでいた頃の履歴だ。

 いや、海釣りも楽しい。船で採れる魚は美味しいし、釣り場への移動で旅行気分を味わうこともできる。でも、海は船頭次第なのだ。釣りものが変わるたびに道具を揃えるのも無駄なので、それらは船宿に借りることになる。なので自力で釣った感覚が持てない。川も放流してるので、大差ないが。

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釣りの朝は早いので、朝食はパーキングエリアの簡易飯になることが多い。