ありきたりマイネーム

 僕の苗字は、国内でベストテンに入るくらい多いと思う。学生時代は学年に10人くらいは同じ苗字の人間がいたような気がする。そのせいで自己紹介する時に、少しだけ気を使う部分がある。仕事で名乗る場合、その人の周りにもきっと同姓の人がいると思い、印象に残るようにと考えてしまう。

 下の名前は、今まで同名の人間に会ったことがないので、普通の名前だけど差別化にはなっている。だから、同級生などの仲間であれば、苗字カブりの厄介さはない。でも、仕事の付き合いで下の名前で呼ばれることなんて滅多にない。40歳を過ぎて以降、そんな親密な仕事関係は絶えて久しい。

 ただ、僕よりも上位のありきたりな苗字の人を考えると、特に覚えにくいとは思わない。つまり、考えすぎなのだ。そうは思うのだが、自己紹介時に感じる「どうせ覚えられないだろうな」という小さな劣等感は拭えない。この気分がどこから来たのか、思い当たるようなエピソードはないのだが。

 僕個人を認識することに対しては、その苗字がありきたりかどうかよりも、仕事上の振る舞いの方が大事だと思う。でも、最近の仕事にはメールが大事な通信ツールに用いられる。メールの登録名には、ありきたりな僕と同姓の苗字が並んでいることだろう。それを誤送信することは、ありそうだ。

 そう、先ほど得意先から社外秘なエクセルが送られてきた。添付されたエクセルを瞬間的に保存してしまったが、内容を見ると社内の経理案件であった。社外の人間である僕が知るべき内容ではない。どういう意味があるのかと考えていると、送信元から電話がかかってきた。単なる誤送信だった。

 電話で「先ほど送ったメールは見ないで即刻破棄するように」と注意された。なんで僕が注意されなきゃいけないんだと思ったが、まあ不要なデータなので破棄した。おそらく経理関係の処理を頼む人間の苗字が、僕と同姓なのだろう。見ず知らずの同姓の人が頑張っていることを密かに応援する。

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多肉植物の名前はヘンなものが多く、覚えてスラスラ言えるようになりたい。