ジョギングのち汗、時々奥歯

 歯医者が言う「痛かったら言ってください」というのは、散髪で髪を洗う時の「かゆいところありますか」と似ている。どちらも言いづらいのだ。特に歯科医院では、こちらは大口を開けて治療されているので、情けない声しか出せないのだ。そんな声を出させて「恥をかかせるなよ」と言いたい。

 当初は「痛かったら手を上げて合図してください」と言っていたような気がする。でも、手を上げる動作よりも先に声が出る。そのかなり手前で実際には痛いのだが、大人だし、我慢強いので言わないだけだ。もし手を上げられる程度の痛みで合図していたら、治療はいつまで経っても終わらない。

 今朝も歯科クリニックで、長年治療している箇所を攻められてきた。僕が痛みを耐えちゃうことがバレているのか、今日はもの凄く痛かったのだが痛みを気遣う気配すら見せなかった。いつも一瞬痛いだけなので、そこさえ耐えてしまえば長く続くものではない。それよりも、通院を早く終えたい。

 今年に入ってから、ジョギングを完全にサボってしまっていた。ジワジワと体重が増してきているので、来るリバウンドに備えて昨日から走り始めた。今朝は歯の予約が入っていたので休もうと思ったが、習慣化させるには初動が大事だと言い聞かせて、無理して走った。今のところ爽快ではある。

 とは言え時間がないので、早めに切り上げてシャワーを浴びて、そそくさと身支度をした。走った後のシャワーは、いつまで経っても汗がひかない。汗を抑える時間を計算して走れなかった。これが代謝というもので、この発汗が内側から身体を健康にすると解釈している。そう思えば汗も許せる。

 そんな状態なので、おそらく治療中も汗だくだったのだろう。顔面にスポットクーラーを当て続けてくれた。最初は新しい治療に使うニューマシンかと思ったが、ただ汗だくの中年男の顔周辺を冷やしていただけのようだ。その音が煩かったので、痛みで喘ぐ僕の声もかき消されていたことだろう。

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多肉植物の手入れは母親の趣味。歯の手入れは個人の自己責任。僕は無責任。