知らない街の親戚姉妹

 昨夜はほとんど縁のない駅で、友だち姉妹と飲んだ。相手が女性なので気を遣って店を選ぼうと思ったのだが、目ぼしい店はどこも満席か休みだったのでチェーン店にした。知らない街では何事も上手くいかないなと思いつつ、久しぶりにチェーン店の居酒屋で飲み食いした。味の感想は特にない。

 とは言え、知らない駅前の居酒屋事情を調べるのは面白かった。居酒屋嗅覚が発達した酒場の仲間が「ここが良さそう」と言っていた店が満席で入れなかったのだが、さすがの目利きだと思った。確かに美味そうな店だった。予約しか受け付けてないと申し訳なさそうに言われて門前払いされたが。

 姉妹の実家がその駅で、実家に預けた子供がグズったらすぐ帰れるようにと、その駅を指定された。実家とは言っても、姉妹が嫁いで以降に引っ越した家らしいので、その街には何のゆかりもない。目ぼしい酒場を知る由もない。知らない街では下手に動かない方が良いと、チェーンに落ち着いた。

 年に一度か二度ほど会うのだが、特に重要な話があるわけではない。近況報告もなく、ただ思いついたことを話すくらいだ。姉の方は僕と同級生なので、高校の頃の話などはよくする。そうすると妹の方が眠そうな顔をする。妹とは現在の地元が近いのでその話をすると、姉が面白くない顔をする。

 3人で会うと1人が浮いてしまう。でも、その感覚がそれほど嫌じゃないから3人になったのだろう。微妙なバランスで成り立っている。姉妹というのも楽なポイントだ。友だち同士だと遠慮するような話もできるし、踏み込みすぎても笑って済ませられる。僕も、家族と話すような気安さがある。

 僕は、近所に親戚がいないので、従兄弟付き合いが疎遠である。たまに法事などで会うと、兄弟以外の近しい家族という感じがして良い。その感覚に近いものを、その姉妹といると味わうことができる。彼女らも、いつも会うのは帰省のタイミングなので、そんな親戚に会う感覚なのかもしれない。

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どこで撮ったか忘れたが、やたらハッピーな洋品店。幸せであることを願う。