テーブルゲームの帝王

 今日から酒場の規制が施行されるので、今後どうなるか分からないと思い、行きつけの居酒屋に顔を出した。いや、こんなエクスキューズは不要なくらい毎日行ってるが、一応時代にリンクした文言を足してみた。その店は昼から営業してるので仕事を早めに切り上げ、明るいうちに歩いて行った。

 最近、全然ジョギングをしていない。その罪悪感を拭うために、最寄り駅まで2キロくらいの道中を歩くことにしている。そのついでという言い訳を用意して連日酒場に顔を出す。そんな酒場で、昨日は小さなイベントを開催していた。いや、イベントと言うほど大袈裟な催しではなかったのだが。

 店のテーブル席に山積みのボードゲームが置かれていた。豊富な種類があり、その遊び方を説明するゲームの達人が常駐している。そういうイベントだ。前日に店主から誘われたので、これ幸いとやって来た。他の常連たちが揃った頃合いでゲームを始めた。昼下がりにビール片手の優雅な時間だ。

 カードゲーム系が多く、それらは何度でも楽しめそうな内容のものだった。中には慣れたり飽きたりしそうなものもあるが、その点を考慮したゲームが「良いゲーム」なのだろう。そして、ちょっとした頭脳戦というのが酒場の雰囲気に合う。こういうゲームをしていたら、変な酔い方もできない。

 そんなゲームの中に、ボキャブラリーを競うようなカードゲームがあった。僕は言語感覚に関して自意識過剰というか、自分の能力を過信していた。そう、その自信は昨日無残に打ち砕かれたのだ。酔いを言い訳にして「何も思いつかない」などと悔し紛れに言っていた。あのゲームは再戦したい。

 いろんなゲームに挑んでみて感じたのは、これを開発した人間が凄いということだ。最初に考えた人のことを「ゼロイチ」などと言うが、ゲームのルールを考えることは正にゼロからの創作だ。新しい世界の創造なのだ。そんな新世界が小さな箱に収まっていると思うと、ある種のロマンを感じる。

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ビジホの朝食ビュッフェ選びはテーブルゲーム的な興奮を覚えるような……。