ガラクタの山の支配者

 仕事が混み合っている時でも、丁寧に整理しながら仕上げたいと思っている。でも、必ずスタートで失敗する。仕事の初期段階で準備しておきたいのだが、知らない間になし崩し的に始まっている。まるで構えられていない状態で受けるので、後手後手になってしまう。考えるヒマが与えられない。

 発注元からしたら、外注先に考えながら仕事をされるのは厄介で扱い難いのかもしれない。屁理屈こねられないように、ガバッと仕事させてサッサと終わらせてしまいたいのかもしれない。だから、いつも雑に頼まれてしまう。巻き込まれるような進行になってしまう。その点は不本意極まりない。

 ただ、準備万端で淡々と進めることが飽きにつながることも知っている。ちょっと雑にやっているくらいの方が、自分の中で修正することが多くて飽きない。でも、気が張っているので疲れる。本当は準備したかった思いも内心に眠っているので、疲れが溜まってくるとイライラ気分も湧いてくる。

 いま頼まれている仕事は、今月末には自動的に終わる。いや、僕の担当分は自分がやらないと誰も手伝ってはくれないのだが、締め切りのある仕事なのできっと終わるだろう。でも、中間に何人も入っているのでまとまらない。まとめるために今月頭から動いているが、今のところ散らかっている。

 この散らかりが忙しいような「気分」だけを醸成しているのだが、気を取り直して軽く整理してみると簡単に先が見えてくる。データのフォルダ分けを整理するだけでもグンと仕事が明確になる。だから、散らかった状態に放置しても焦らない。整理する楽しさは一瞬なので、最後まで取っておく。

 結局、僕は仕事を楽しもうとしている。ただ頼まれたからやっているのでは、やる気になれないのだ。自分をだまして、楽しくなるように誘導して続けている。本当は仕事の打ち合わせも面倒だし、報酬の交渉なんて鬱陶しくて仕方ない。でも、会社員ではできない楽しさがあると信じ込んでいる。

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かつて我が町の端にあった独立国家(嘘)。周囲には独特の緊張感が漲っている。