飲まず食わず動かず

 集中して働きたいときは、つい昼飯を抜いてしまう。以前、よく店に行って話を聞いていたお客さんからは「メシを抜いてまでやる仕事なんか無え」と言われたものだ。そう言い聞かせていないと、簡単に昼飯を食いそびれる。特に都内勤務のときは、気がついたら定食屋の昼営業が終わっている。

 絶対に昼飯を食べると決めていないと、つい「ま、いっか」と流してしまう。現在抱えている業務が、ダラダラと発注元から追加のメールが送られてくるので落ち着かない。メールに追いつくために急ぐのだが、コチラが終わらないうちに心ない追加が増えていく。そして今日は追いつけなかった。

 このメールが無制限に送られてくる状態に対抗するために、昼飯を抜いてしまった。実を言うと昨日も昼抜きだ。先のお客さんに言われた言葉が刺さったので、僕はここ数年、ランチを楽しみに生きてきた。そんな僕でもアッサリ仕事に負けてしまう。少しも楽しい仕事じゃないのに優先している。

 現在、家で作業をしている。家だから、ひと休みするとガッツリ寝てしまう。寝ないためには体勢を固めるのが大事だ。あまり楽な姿勢で仕事をしていると、ついウトウトしてしまう。だから、不完全な姿勢で働いている。パソコンのキーを打つには安定感に乏しい姿勢で、結局いつもより疲れる。

 疲れるから作業の進捗状況はイマイチ。そこで姿勢を正して、それまでのダラダラした入力作業がオフザケかのように集中して打ち込む。それでやっと帳尻が合う。なんとなく自分で決めていたノルマまでは終わらせられた。でも、フリーランスに大事なことは、ここからのセルフ残業の考え方だ。

 仕事は早過ぎても良くないのだ。そのスピードで相手が慣れてしまうと、短い期間で仕上げるように要求される。それは、結果的には時給を安くしているだけなのだ。そんなことを頭の片隅に置きつつ、それでもスピード狂の僕はメールに追いつきたくて働いてしまう。内なる闘争心には勝てない。

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気晴らしに外に出られれば気分転換になる。見上げれば、そこには靴底がある!?