枯れてのち、また咲く

 今年に入ってからの節制で痩せたのは良いけれど、久しぶりに会った人からヒョロくなったと言われてしまった。今の体重は高校時代と変わらないのだが、その頃の僕はヒョロッとしていた。今よりも筋肉量はあったので、見た目はもっと細かったかもしれない。細いというより引き締まっていた。

 体重だけ落としても、筋トレしてないから単純に体の厚みがなくなった。年齢的に、急な減量は病気を疑われる。だから周知しておく必要がある。エスエヌエスなどを使って「健康のために摂生している」とアナウンスしておけば痩せた理由は明確だろう。周囲が自分に関心を持っていれば、だが。

 最近はボディメイクなんて言葉も浸透しており、努力して理想的な体型を手に入れるという人も多いと思う。僕も程よい筋肉で表層を武装したいと思わないわけじゃない。ムキムキは絶対に嫌だが、適度なメリハリがあった方が運動性能が向上するだろう。生涯スポーツマンでいるためには必須だ。

 ただ、僕はむかしから「羊の皮を被った狼」という言葉に弱いのだ。見るからに明らかに強そうなヤツが、当たり前に強くても面白くないと思ってしまう。それよりも体格で見劣りする方が、スピードやテクニックで相手を上回ることに憧れてしまう。ヒョロいオッサンが俊足だったら、素敵やん。

 羊の皮の例えは、よくクルマで使われる。見た目ノーマルなのに、走るとチューニングマシンなんか目じゃないくらい速い。その場合、ドライバーの技術が優れていて、ノーマル車でもコース取りとシフト操作で改造車をブチ抜くというのが理想だ。でも、現実はノーマルに擬態した改造車が多い。

 なんとなく筋トレは、改造車のイメージとリンクする。実際には自分の筋肉なので、改造ではなく補強に近いのかもしれない。筋トレを熱心にしたことがないので、具体的なイメージがない。僕の手付かずの体が、筋トレによって変化する姿も想像できない。ただ、走っているだけでは痩せるのみ。

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路地裏が好きなので、カリカリに痩せていた方が細い道を通りやすいだろう。