ないがしろになった世界

 あまり真剣に考えたことはないが、ポリコレ案件について思うところはある。思うところはあるけれど、おおっぴらに語れるレベルではない。それは、半端な知識と覚悟で語れるものではないからだ。ただ薄ぼんやりと「なんか生きづらいな」と思わせる元凶がそこにあるということだけはわかる。

 この世界に数多あるアンタッチャブル。もちろん触れてはいけないのだから、触れないようにするのが社会人としての嗜みなわけだ。そのタブーが増えている、無尽蔵に後から後からタブー認定されているように感じる。しかも、あまりタブー視しすぎるのも「排除している」と批判されてしまう。

 多様性を受け入れる社会には賛成だが、その受け入れる形を誰も示さない。ただ理解の深度が浅い人間だけが批判される。その人が炎上している姿を見て、周りは遠慮する。ポリコレとは政治的正当性ではなく遠慮ではないか。そのせいで、結局みんな触りたがらないタブーな案件になってしまう。

 現在の雰囲気を醸成しているのはネットによる誹謗中傷というヤツだ。そんなものに右往左往される社会になるとは想像もしていなかったが、メディア界隈や著名人は生きにくくなっている。ごく一般の社会人である僕に影響はないが、誰かが生きにくそうにしている様を目にすることは多々ある。

 数年前から「弱い者勝ち」という図式が成り立っていると思っている。強者に対してもの言える立場は弱者しかなく、その弱者に噛みつかれたら謝るしかない。その図式が爽快な時もあれば、ただの難癖にしか見えない時もある。トチッた有名人を叩くのも同様だが、これは弱い者イジメでもある。

 金持ちケンカせずという通り、この手の炎上界隈は貧困層の難癖のようにも見て取れる。ネットで延々と難癖を書き込めるのも、時間が余っている人たちだろう。そういう意味では格差社会が生んだ歪みとも取れそうだ。格差という意味では確実に底辺に近い僕も弱者無双しないよう気をつけよう。

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餃子とビール。これさえあれば生きていけたのに、これすらない世界は地獄。