群れなすものとハグレモノ

 僕の学生時代は第2次ベビーブーム世代で、大量の生徒を効率的に割り振るようなシステムで構成されていたと思う。極端な体育暴力が横行している場面もあったが、それはバランスの問題だろう。校内暴力の嵐が吹き荒れた時代の後なので、教員側の武装解除が統一されていなかったと思われる。

 なんとなく、僕らの前時代の先輩が言うような「レッテル貼りの高圧的な存在」としてのイメージが漠とした学校の印象だ。本当はそれほど圧をかけられた世代ではないのだが、その名残りのようなものは散見された。急にブチ切れる教師を見て「この人は大丈夫な大人なのか」と感じたりもした。

 学校というシステムには期待していなかったけれど、同級生がたくさんいるので、学校に行くこと自体は楽しかった。もともと能天気なので、細かいことは気にしなかった。ただ、学校の中での序列を気にしている連中は大嫌いだった。そういうことを気にするのは女子なので、必然的にモテない。

 そんな序列が発生してしまうのは、学校という閉じた空間がひとつの社会の縮図であり、社会の構造上の必然なのかもしれない。学校の序列に、上位にいれば「より生きやすい」という恩恵があったのだろうか? それほど大きな利権を得られるものではないはずだが、こだわる人間はいたようだ。

 そういう序列をスルーするには、運動部に入って別の組織に所属するしかない。序列のトップには「遊んでいる不真面目な連中」が居座っているのだが、その連中の中には運動部員も含まれている。僕のように運動部には属していてもあまり遊べてない連中の方が多いのだが、比較的風通しは良い。

 学生時代を通して、モテないこと以外は総じて楽しく過ごせた。ただ、それは思い出だからだろう。もう一度やり直そうとは思わない。ずっと合わないサイズの服を着させられていた感覚はあった。実際に制服のサイズも小さかったのだろう。前時代的だけど、支配から卒業したいとは思っていた。

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校舎の窓ガラスを割った経験は誰にでもあるだろう。故意ではなく事故だが。