気分が上がる予定をひとつ

 緊急事態宣言発令下の関東では、例年この時期に行われていたフェスが軒並み延期となっている。その中で、毎年行っている「パンダ音楽祭」というイベントは、今年は「おうちでパンダ音楽祭」と称して、今週末に配信にて開催される。われわれは家で見ているだけだが、それでも楽しみである。

 どういったカタチにせよ、画面の中とはいえ「今演っている音楽」を聞く楽しみはあるわけだ。そんなに配信での開催に期待感はなかったのだが、せっかくなのでチケットを買ってみようと手に入れてみたら、途端にワクワクしている。この土曜日はフェスだ。自粛でも堂々と言えるフェスなのだ。

 このイベントに行くようになったのは、酒場の常連のウワサを聞きつけたからだ。彼らが「今度こういうのあるんですよ」と言って、特に誘われたわけでもないのだが、プレイガイドをチェックしたらまだ買えたので行くことにした。会場は上野恩賜公園不忍池水上音楽堂。家からも比較的近い。

 周辺のコンビニでビールを買い、特に席指定されていない階段状の座席に適当に座って眺める音楽イベントだ。音量の制限があると思われるが、そこでの演目はアコースティックなものが多い。バンド形態でも、普通に大音量で鳴らすような編成では出ない。必然的にレイドバックした感じになる。

 そして、時間が進むにつれて観ている方は酔ってくる。毎年、先の酒場の常連連中と観に行くわけだが、みんな最後の方はベロンベロンになっている。でも、僕がこのイベントに行こうと思ったのは最後に出演する人が好きだからだ。サニーデイ・サービス曽我部恵一さん。もちろん今年も出る。

 僕は楽しみが最後にあることと、他の人よりは多少酒が強いのか、いつも最後まで覚えている。ちゃんと心に刻まれているし、今年は演ってほしいあの曲を「演らなかったな」などと、ひとつのアクトとして楽しみにしているのだ。この辺りのギャップが、ひとり家で観ていたら一切ないのも良い。

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新型コロナの影響で、期せずして時代の節目に立ってしまった鳥たち。