ウェアハウスの住人たち

 何度か仕事を転々としているので、その合間にバイトで何度か倉庫の仕事をしてきた。学生時代のものも含めると、かなり長いキャリアと言えるかもしれない。ただ、学生時代は部活の仲間と一緒にやっていたので、いかに楽するかだけを考えていた。だから、あれは仕事のキャリアには含まない。

 でも、そのバイトをギャラだけで考えると、学生時代の方がまだ景気が良かったので高額だったと思う。まあ短期間で稼いで一瞬で使ってしまうのだけれど、それなりにまとまった金額を手に入れることはできた。その学生時代のバイトは夜間シフトだったので、眠くてツライ記憶しかないのだが。

 そのバイトの帰りの電車内で、眠くて腰も痛かったのでつり革につかまった状態でグニャグニャになっていた。一緒に帰る同期の関西人に「シャキッとせんかい」と言われて「ダメ、まっすぐ立てない」と駄々をこねていたら、前に座っていた通勤途中のOLさんがクスッと笑ったので元気が出た。

 その後も、職探しの合間に倉庫バイトを挟む生活が続いたが、よくよく考えると高校の時にも倉庫でバイトしたことがあった。果物の倉庫で、出荷前の品質管理の仕事だった。有り体に言えば腐った果物を避けて、腐ってないものだけをまとめる仕事だ。地味で楽な仕事だったけれど続かなかった。

 部活の仲間と一緒に夏休みの間の1週間ほど通っただろうか。ただでさえ楽な仕事なのに、さらにサボりたくてタイムカードを押して帰っちゃうヤツもいた。そいつに「帰りに俺の分も押しといて」と言われて無視した覚えがある。そんな不正がバレて仲間の誰かがクビになり、気まずくて辞めた。

 あの学生時代の「サボることが正義」みたいな、だらしないヤツが正しいみたいな風潮が大嫌いだった。学生時代は仕事をナメていたが、真面目な人間を笑い飛ばす不真面目なヤツが得をしようという考え方が気に食わない。不真面目なのは構わないが、それで「普通に損をしろ」と思ってしまう。

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近所の公園に現れた環状列石。この界隈の会社の従業員の憩いの場所である。