今年もモアホットマサラ

 暑くなると辛いものが食べたくなるという話を聞く。僕はむかしから汗っかきなので、夏は汗が服に染みないことだけを考えている。それさえ考えなければ夏は好きだ。クーラーの効いた部屋で過ごすのも、灼熱の野外でドロドロに溶けるのも嫌いじゃない。ただ、年々暑さへの耐性は落ちている。

 汗に関しては、近年はだいぶ開き直れている。去年からあまり外出しなくなったので、最悪の汗だくタイミングで電車に乗ることがなくなったことで気にならないのかもしれない。冷感グッズで対策できるし、その安心感があるからなのか、実際に冷感グッズを使わなくても大過なく過ごせている。

 とにかく、冬よりは夏の方が好きだ。夏が好きというと、軽薄で遊んでいるようなイメージを抱くのだが、そういうチャカついたこととは無縁でも夏の方が良いのだ。で、冒頭の「夏になると辛いもの」という件だが、それって辛くて汗が出ることが夏の暑さのイメージとリンクしているだけでは?

 繰り返すが僕は汗かきなので、辛いものを食べると大量発汗する。汗は出るけれど、辛いものは好きだ。合うと思ったらタバスコは大量投入したい方だし、胡椒や山椒も多めにかけたいタイプだ。ゴルゴンゾーラペンネには、表面の白さが見えなくなるまでブラックペッパーで満たして食べたい。

 とは言え、必ずしも辛い方が好きとか、辛ければ辛いほど旨味を感じるわけでもない。辛さが選べるメニューなら、まず「中辛」しか選ばない。刺激の向こう側に旨味を探すような激辛の試練を受けたいわけじゃないのだ。エスニック料理が好きなので、自然に辛さを許容するようになっただけだ。

 数年前から、新規オープンするラーメン屋の多くが坦々麺を推している気がしていた。今は分からないが、パンデミック以前はそうだった。担々麺はあまりハズレがないような気がする。ハズレがないのは、どこで食べても同じ味とも言える。そして、味変しようと山椒をかけすぎてシビれ悶える。

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ありがちな担々麺。どこで食べたのか分からないが味の想像はつく。美味い。