いつもそこにあるもの

 ずっと気になっているのに、触れずにスルーしているものがある。例えば、風呂場の汚れとか壁のシミとか。触れたら最後までやらなきゃ気が済まないのだけれど、それに手を出せる時間的な余裕がないのだ。だからってヒマな時には気にならない。忙しい時の方が感覚が研ぎ澄まされているのだ。

 数日前から便器の汚れが気になっていた。それを見て見ぬフリでやり過ごしていたら、いよいよ汚れが目立ってきた。今朝、バス時間の迫った慌ただしいタイミングなのに、耐え切れずに掃除した。そのせいでバスは逃すし、乗りたかった電車にも遅れた。最悪のタイミングを選んでしまう性格だ。

 僕は出かける時に、時間の余裕をあまり大きく取らない。ピッタリ予定の時間に着くのが理想なのだが、そう都合よく乗り換えなどのタイミングは合わない。だから、すこしだけ早めには設定している。今日は乗り換え駅で昼飯を食べたかったので、いつもより余裕あるスケジュールを組んでいた。

 それが、出掛けのトイレ掃除によりランチタイムを取れない可能性が高まった。家を出る前にそれを確信し、何となく不機嫌で外出の準備をしていたら電話が鳴った。仕事先からの電話かもしれないので出ると、先日の保健指導から進捗状況を聞かれ、答えている時間はないと即ギリしてしまった。

 電話を切った後で少しだけ後悔した。この電話はいつもタイミングが悪いので、コチラが都合の良い時間を指定してあげた方が良いのだ。でも、それを考える時間が惜しかった。それに加えて、僕が「いま時間がない」と言った直後には向こうが切っていた。きっと僕の不機嫌が伝染ったのだろう。

 家を出るときに、スニーカーのシミが気になった。こんなところにシミあったっけ、そう思ったら洗いたくなった。週末、晴れたら洗おうと一瞬だけ思った。でも、その日が来た時の体調によるだろう。きっと洗わないような気もするし、晴れていたら洗うのかもしれない。どっちでも良いことだ。

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タンポポと低咲き桜の合わせ技。