塩ラーメン罪悪感うすめ

 いくつになってもラーメンやジャンクフードが大好きで、美味しいことが正義だと思って過ごしてきた。イチバン好きなのはトンカツだ。人に好物を聞かれると、咄嗟に出るのはロースカツだろう。最後の晩餐も、健康ならトンカツが良いのだが、トンカツが食べられる人間はまだ死なないと思う。

 現在、ちょっとだけ食事制限のようなことをやっている。毎日体重を測って記録しているので、その変化が自分を追い込んでいく。あんなに節制したのに微増していると、もしガマンしないで食べていたら「どんだけ増えていたんだろう」と強迫観念に襲われる。だから、自然と食事には気を使う。

 この生活が僕の心の健康を蝕むことがなければ良いとは思うが、確かに痩せたいとは思っているので、成果が出ているうちは多少のガマンはするつもりだ。そんな現状で、昨日は久しぶりに都内の仕事場に顔を出すことになった。普段ガマンしているので、たまにはランチにラーメンも良いだろう。

 月に一度の仕事だが、毎回そこに行くと同じラーメン屋を選んでしまう。昨日も何の迷いもなくそこに行ってしまった。本当はその近所に行きたい家系ラーメンの人気店があるのだが、時代の空気というか、人気店の混雑に配慮してガマンしている。一体いくつガマンを重ねて生きているのだろう。

 で、いつものラーメン屋に行き、いつもとちょっと違うラーメンを頼んだ。そこは塩としょうゆを選べるのだが、昨日は塩ラーメンを選んでいた。いつもはしょうゆで、そこにサイドメニューのミニチャーシュー丼も追加する。それをカットして塩ラーメン。なにか、健康に縛られている気がする。

 僕のなけなしの反骨精神が、その店のサービスである〈ラーメン大盛り無料〉だけはお願いした。この大盛りがキツかったのだ。心が拒否しているのだ。今まで通り余裕で食べられるのだが、食べられるのと食べたいのとはまるで異なる。だから、いつもは飲み干す汁も残した。僕は変化している。

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ネギを乗せた塩ラーメンを店員は「ネギ塩」と呼んでいた。牛タン食いてえ!