レディ・フォー・アクション

 僕はスポーツにしろ仕事にしろ、何かコツをつかむのに時間がかかるタイプだ。その理由は、まず間違っている方法を潰してから正解を選ぼうとするからだ。最短距離の方法論は分かるけれど、こっちはどうなんだろうと試したくなる。逆張り体質で、成功への近道を後回しにしてしまうのである。

 後回しにしてしまうと、むしろ後からその近道を選びたくなくなる。そもそも見えていたはずの近道が、間違ったやり方で進めてしまったせいで見えなくなっている。だから、遠回りした挙句ある程度のコツをつかめるようになったとしても、自己流で周りとの整合性が合わなくて疎外感を味わう。

 すべてにおいて素直さがないのが僕の欠点だ。わからない時に熟練の先輩に聞けば良いのだが、安易に聞くのも憚られるのでしばし「見」の姿勢を取ってしまう。その態度が消極的と取られて、やる気がないように思われることが多かった。でも、最初は何がわからないのかもわかっていないのだ。

 興味を持って飛び込んだ世界だとしても、事前の下調べが甘いとスタートの飲み込みも悪くなる。でも、興味を募らせて飛び込むという衝動ではじめることって、大抵は調べる前に動いてしまう。動きながら覚えるというのが理想だが、僕は動く前に根拠を欲しがってしまう。または理由だろうか。

 逆張り遠回り体質の僕だが、その割に自分のことを器用だと思っているフシがある。あえて難しいことを選んでやっているんだという、抱く必要のない自負を持っている。それは「両方できるよ」という慢心だ。スピッツが歌っていた「ずるしても真面目にも生きていける気がしたよ」なのである。

 まあ、何をやるにせよ、いつも見切り発車なのだ。調べればわかることを放っておいて、素手でやろうとしてケガする。ジョギングが続かないのも、ケガをするからだ。どうしたら肉離れしないのかを調べれば、正しいストレッチをネットで見られる。ちゃんとほぐしてから走れば、肉は離れない。

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時々ふと自分を上から見ている存在を意識してしまう。全部見られている。