踏めばライムの香り

 今年もすでに2週間が過ぎた。冬の寒さで食習慣が乱れた。食べ過ぎの明け暮れに胃が膨張した。感覚的には思春期の食欲だ。おにぎりが食べたいなぁ。対処しないと裸の大将だ。一念発起、まずはウォーキングだ。最寄りの駅まで歩いて行こう。2キロ弱の道中膝栗毛。傷めた膝を労わってこう。

 歩くのは気持ちいい、いくらでも行ける。陰気なわが町、だけど音楽聴けば楽しく歩ける。暗い抜け道ぬけると川沿い。明るい道に出れば気持ちもアガる。踏み出した遊歩道、ランナーには道を譲ろう。道の端っこをトボトボとイヤフォンの音楽に合わせ、軽快とは程遠いリズムで歩いて行くのだ。

 調子が出てきた、瞬間に違和感。ふくらはぎの異常を知らせる警告音。何度も味わった痛み、肉離れ。その前兆はすぐ分かる。ただ歩いているだけで離れる肉。もはや歩くことも困難。本当は走りたいの我慢して歩いている。でも、体は歩行すらも拒絶か? 絶望的な道端、昼間の川沿いで孤立化。

 だましだまし傷みを散らし、折れそうな気持ち蹴散らし、音楽と景色で気分を上向かせ、痛む患部いたわって歩く。思えば外出は3日ぶり。ずっと家にこもって作業。急な運動が悪い方に作用。久しぶりの歩行で可動域が制限されていた模様。待て、散歩が運動なんて誰が言った? 自分で言った。

 寒い道中も動いていれば、日差しもあるので温まって来る。次第に痛みも和らぎ、辻肉離れ回避。耳からの心地よい音楽に再び現実逃避。ここまですべて昨日の話。街に出て昼飯、目当ては酒場の昼営業。おすすめバーガーを頬張るぜ。なにせ僕は、食欲のフタが崩壊したにわかフードファイター

 今朝起きた瞬間に、頭の中でパブリックエネミーのラップが自動再生された。と言っても曲の一部で「スーパーニンテンドー」という箇所が思い出されたに過ぎないが、その一部をヒントに調べたら畳み掛けるライムがクールな曲だった。それに刺激されて押韻を意識して作文してみたが、苦手だ。

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歩いても肉離れの危険がある身としては、季節外れの海辺散歩は自殺行為だ。