シンクロ率の高さに赤面

 昨日は、ランチ営業している行きつけの居酒屋に顔を出した。もちろん昼飯を食べるためだ。ただ、いつもそこでは飲酒するので、平日の昼間だというのにビールを頼んでしまった。通常では国産の生ビールなのだが、昨日はクラフトビールを出していた。美味かったので1杯では終わらなかった。

 そこは居酒屋とはいえ、女性が好みそうなおしゃれカフェ風の雰囲気がある店なので、客も女性が多い。従業員は店主の女性とスタッフの男性で、その男性は店の雰囲気とは馴染んでいるが、ルックス的にはすこし厳つい。体型がガッシリしている上、サイドを刈り込んだ髪型とヒゲがワイルドだ。

 ふと他の客を見ると、カップルで来ていた男性もヒゲとメガネだった。ちなみに僕もヒゲとメガネだ。同じスペースに、ヒゲとメガネの男性しかいないという小さな奇跡。恥ずかしかったので言わずに帰って来た。洋服がカブる恥ずかしさはあるが、身体的特徴がカブるってのも恥ずかしいものだ。

 誰かとカブって恥ずかしい経験で思い出すのは遠い過去。小学校高学年の図工の時間で、板にデザイン画を下書きして外を削り、卓球のラケットを作るというのがあった。それぞれ思いついたデザインを下書きして見せ合っていたのだが、僕が書いた下書きが女子とカブり、周りから冷やかされた。

 その子のことは実は好きだったのだが、そんな内なる恋心を絶対に言えないような子供だった。僕自身、それを伝える気持ちもなかったし、ただボンヤリと好きだっただけだ。そんな気持ちが他人にバレるわけがないのだが、変なことで紐付けられそうになり、僕は恥ずかしさで真逆の行動に出た。

 その時カブったデザインは「手のひら」の形だった。いま考えれば、そんな安易なデザインがカブらないわけがないのだが、その時は偶然の一致を好きだ嫌いだの話に持って行こうとするヤツらとの戦いだ。完全に意識をそらせるために下書きをビリビリに引き裂いたのだ。余計あやしいっつーの。

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服装がカブっている人間は遠目で見ても分かる。だから逃げることができる。