初心ネバフォゲット

 人とメールでやりとりをしていると、つい相手の理解度に合わせないで先走ることがある。かつては自分も理解が追いつかずに、他人に知識のマウントを取られて嫌な思いをしたことがあったのに、結果的に同じようなことをしてしまう。ロクなもんじゃない。もっと優しく生きなければいけない。

 メールで送れるデータ量には限度がある。それは常識だと思っていた。でも、10年前の僕にはそんな常識はなかった。それが、今では常識だなんて言い切ってしまう。思い上がりも甚だしい。相手に自分の常識を押し付けて、半笑いでメールに添付できるデータ量について説明する嫌な野郎は僕。

 理解度の差を埋めるのはコミュニケーションだ。面倒臭がらずに「全部教える」つもりで人と付き合わなければいけない。教えるなんておこがましくて、その時は「自分の都合に合わせてもらって構いませんか」の気持ちで接すればスムーズだ。教えられるのでは、相手のプライドも傷つくだろう。

 とにかく、仕事で大きなデータを取り扱うことがあり、その見本として軽量化したデータで相手とやりとりしていた。その軽いデータは、あくまで内容を確認するためだけのものなので実データではない。すべての確認が終わったら実データを送るつもりだった。そういう「つもり」で進めていた。

 でも、相手にはそれが伝わっていない。確認しているデータで問題がなければ、そのまま進めてしまう。僕が知らないところで、その確認用のデータが次のステップに進んでしまった。もちろん次のステップの人は、そのデータの不備に気付くだろう。すべて僕の伝達不足。丁寧さが足りないのだ。

 本当は、この件が起こった時に僕は自分の責任なんて感じていなかった。ただ、その理解度の差に不満というか、「仕方ねえな」くらいに思っていた。でも、果たしてそうなのか。自分の落ち度はないのか? 説明不足は僕の責任だろう。こんな勘違いが大きなミスに繋がる前に肝に銘じておこう。

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事前に量を確認しないで大盛りにするから、腹が裂けそうなほど満腹になる。